一般解剖学

系統解剖学



最終更新日: 12/05/30

funalogo.gif (2604 バイト)













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Nervous system(神経系)Systema nervosum

Central nervous system(中枢神経系;神経系中枢部) Systema nervosum centrale

Cerebellum(小脳)Cerebellum しょうのう Feneis: 284 11

[A14_1_07_001] →(Cerebellumは、「大脳、脳」を意味するcerebrumの指小形で、「小さい脳」という意味である。Cerebrumは、「頭」を意味するギリシャ語のkararan由来する。 小脳は筋、関節などの深部組織、前庭、視覚、聴覚系などからの入力を直接あるいは間接的に受け、眼球運動を含む身体の運動調節を司る。小脳は正中部の虫部と外側部の小脳半球とに分けられる。いずれも多数の小脳溝により小脳回に細分される。この中、特定の小脳溝は深く、これにより小脳回の集合ができる。これを小脳小葉とよぶ。ヒトでは小脳は深い水平裂により上面と下面とに分けられ、虫部とそれに対応する半球に九つの小葉が区別される。系統発生的には小脳は前葉、後葉、片葉小節葉の3部分に分けられる。前葉は系統発生的に古く古小脳(Paleocerebellum)ともよばれ、脊髄小脳路、副楔状束核小脳路、オリーブ小脳路の一部、網様体小脳路などをうける。後葉は系統発生的に新しく、新小脳(Neocerebellum)とよばれる。とくに半球部は虫部より新しく、橋核、主オリーブ核などを介して大脳皮質と結合している。前葉と後葉とは第1裂により境される。片葉小節葉は原小脳(Archicerebellum)とよばれ最も古く前庭系との結合が著明である。後葉とは後外側裂で境される。後葉には虫部錐体と虫部垂との間に第2裂がある。ヒトの小脳小葉の形は他の動物のものと大きく異なりる。小脳全体は灰白質と白質とからなる。灰白質には小脳皮質と小脳核とがある。小脳皮質は小脳小葉の表面をなし遠心性軸索を出すPurkinje細胞と皮質内での結合を行う細胞とからなる。小脳核は深部にあり、室頂核、球状核、栓状核、歯状核の4核からなる。小脳皮質にはその結合から三つの縦帯が認められる。すなわち、正中部の虫部皮質、外側部の半球皮質および両者の境界部の虫部傍皮質である。虫部皮質のPurkinje細胞は室頂核に、虫部傍皮質は球状核と栓状核に、半球皮質は歯状核に投射する。小脳の中心部の白質塊は髄体とよばれ、遠心性および求心性繊維から出来ている。ここからは白質が分枝して(白質板)、小葉に分かれる。全体として樹の枝のようにみえるので、小脳活樹と名づけられている。小脳は三つの小脳脚により、延髄、橋、中脳と結合している。これは小脳の遠心路および求心路の通路となっている。 小脳の発生 development of the cerebellum:小脳は後脳の菱脳唇から発生する。後脳の菱脳唇は翼板の背外側につづく背内方に突出する高まりで、胎生2ヶ月の後半において急速に増大し、小脳板とよばれるようになる。左右の小脳板の間には菱脳蓋の頭側半分が介在するので、頭側部では左右の小脳板は相接しているが、尾側部では広く離れている。菱脳の中央部を頂点とする橋弯曲が高度になると、この部の菱脳蓋の左右方向の拡大によって、左右の小脳板の尾側部はいよいよ高度に引き離され、左右の小脳板は菱脳の長軸に直角な一直線をなすようになる。これと同時に左右の小脳板の頭側部(今では内側部)が合一するので、結局、正中部が小さくて左右両部が大きい単一の小脳原基が成立する。正中部からは小脳虫部が、左右両部からは小脳半球が形成される。 増大していく小脳原基の背側部には、やがて中部から半球に向かって走る溝が次々に出現して小脳を区画する。胎生5ヶ月のおわりには小脳虫部における10個の主な区分(小脳葉)がほぼ完成する。これらの小脳葉はそれぞれ固有の発育を行うが、その間に第2次、第3次の溝が生じて、各小脳葉を多数の小脳回に分ける。このような形態発生の結果広大な表面積を獲得した小脳の表面には小脳皮質とよばれる特別な灰白質が形成され、これに出入りする神経線維はその深部に集まって小脳白質を形成する。 小脳原基においても菱脳室に接する内側から表面に向かって胚芽層・外套層・縁帯の3層が分化する。胚芽層は神経が細胞をつくりだすが、胚芽層から発生するのは小脳核の神経細胞と小脳皮質のPurkinje細胞およびGolgi細胞である。小脳原基が3層に分化するとまもなく、外套層の表層部にやや大型の神経芽細胞が出現し、小脳板の背側面(表面)に平行に1列にならぶ。これがPurkinje細胞の幼若型である。ついで小脳板の尾側端部の胚芽層でさかんな細胞分裂がおこり、ここで生じた未分化細胞は縁帯の表層部を頭方に遊走して、小脳原位の全表面をおおう未分化細胞層を形成する。これを胎生顆粒層という。 胎生顆粒層の細胞は胚芽層における細胞分裂が終わるころから活発な分裂を開始し、神経細胞をつくりだす。この神経細胞は縁帯およびPurkinje細胞の層を貫いて、Purkinje細胞の層の下に達し、ここに新しい細胞層(内顆粒層)をつくる。胎生顆粒層からは、このほかに縁帯の中に散在する籠細胞や小皮質細胞が生ずる。必要な数の神経細胞を送り出すと胎生顆粒層における分裂はやみ、本層は速やかに消失する。一方、Purkinje細胞は縁帯の中に多数の樹状突起を伸長させる。縁帯はPurkinje細胞の樹状突起で満たされて厚くなり、核をあまり多く含まな灰白層となる。このようにして小脳の全表面は、表面から灰白層・Purkinje細胞層・内顆粒層の3層から成る小脳皮質でおおわれることになる。)

小脳Cerebellum,下方よりみる

小脳Cerebellum,前下方よりみる 図中右側では小脳扁桃を取り去ってある.

General terms(一般用語(小脳の))Nomina generalia いっぱんようご(しょうのうの)  [A14_1_07_001_1]

Cerebellar fissure(小脳裂;小脳溝)Fissurae cerebelli; Sulci cerebelli しょうのうれつ;しょうのうこう Feneis: 284 13

[A14_1_07_002] →(小脳の表面には、きわめて多数の横走する溝、すなわち小脳溝がみられる。小脳溝には、とくに深いものがあり、このような深い溝で小脳は多くの小葉に分けられる。)

Folia of cerebellum(小脳回)Folia cerebelli しょうのうかい Feneis: 284 12

[A14_1_07_003] →(小脳溝の間にある細長い高まりを小脳回という。小脳回によって、小脳の表面積は著しく増大する。小脳の重量は約130gで、脳重量の約1/10にすぎないが、表面積は大脳皮質の約3/4にあたるといわれる。)

Vallecula of cerebellum(小脳谷)Vallecula cerebelli しょうのうこく Feneis: 284 14

[A14_1_07_005] →(小脳虫部の下部は左右の半球のあいだに深く落ち込んでおり、そのために左右の半球の間に生じる腔所は小脳谷と呼ばれる。延髄がこのなかで連絡する。)

Vestibulocerebellum(前庭小脳)Vestibulocerebellum ぜんていしょうのう

[A14_1_07_007] →(前庭一次および二次線維を受ける小脳の部分を前庭小脳といい、片葉小節小葉の他に虫部垂の腹側部も含まれる。“前庭小脳”のすべての部分から前庭神経核への投射がある。すなわち片葉からは前庭神経上核内側核へ、小節と虫部垂からは上核、内側核および下核へ投射があり、これらはすべて同側性である。前庭小脳は代償的な前庭眼反射、視運動反射、および頸反射の調節に関わる。すなわち、これらの反射路はすべて前庭神経核群を含む。片葉には副視索系によって網膜像の働きに関する情報が送られる。これらの入力のうち、苔状線維入力は橋被蓋網様核からおこり、途上線維入力は内側副オリーブ核の背帽から起こる。片葉は、特に眼球運動と密接な関係がある。すなわち、動く視覚対象を追う追跡眼球運動が円滑に行われるためには片葉は必須の構造である。)

Spinocerebellum(脊髄小脳)Spinocerebellum せきずいしょうのう Feneis: 286 07

[A14_1_07_008] →(脊髄小脳(旧小脳paleocerebellum)は脊髄小脳路の終わる部分と一致するところから脊髄小脳と呼ばれる。旧小脳は虫部の大部分とその近くの小脳半球全部とをあわせていう系統発生学用語。系統発生的な古さからいうと原小脳と新小脳の中間にあたると考えられている。)

Pontcerebellum(橋小脳;橋性小脳)Pontcerebellum きょうしょうのう

[A14_1_07_009] →(橋小脳は橋底部の核からの神経線維を受ける小脳皮質の部分。小脳半球の広い範囲を占める。小脳虫部には比較的少ない。橋小脳線維は小脳皮質に行く途中で小脳核に側副神経線維を出す。)

Archicerebellum(原小脳;原始小脳)Archaeocerebellum げんしょうのう;げんししょうのう Feneis: 286 06

[A14_1_07_010] →(原小脳(片葉小節小葉flocculonodular lobule)は発生学的に最も古く、小節および有対の片葉とそれらをつなぐ脚よりなり、後外側裂によって小脳後葉と区分され、前庭系と密接な関係をもつ。)

Paleocerebellum(古小脳;旧小脳)Paleocerebellum こしょうのう;きゅうしょうのう Feneis: 286 07

[A14_1_07_011] →(旧小脳(古小脳)(前葉lobus anterior)は第1裂の前方にあり、伸展受容器からのインパルスが脊髄小脳路を伝わってこの部分に至り、筋緊張の調節と最も関係が深い。)

Neocerebellum(新小脳)Neocerebellum しんしょうのう Feneis: 286 08

[A14_1_07_012] →(新小脳は発生学的に原始小脳、旧(古)小脳よりも新しく、また最も大きい部分で、第1裂と後外側裂との間を占める。この部分は対側の大脳皮質から橋核を経由してきた入力を受け、体性運動機能の協調に密接に関与する。ヒトを含む霊長類で最高度に発達している。)

External features(表面の形状(小脳の))Morphologia externa ひょうめんのけいじょう(しょうのうの)  [A14_1_07_012_2]

 

Body of cerebellum(小脳体)Corpus cerebelli しょうのうたい Feneis: 284 15

[A14_1_07_101] →(小脳体は片葉小節葉を除いた小脳全体で第一裂によって前葉と後葉に区分される。前葉は主として脊髄と連絡する。後葉は系統発生的に新しく、大脳皮質の発育に伴って発達する。)

Anterior lobe of cerebellum(小脳前葉)Lobus cerebelli anterior しょうのうぜんよう Feneis: 284 18

[A14_1_07_101_1] →(小脳前葉は小脳第一裂より前方の小脳体。①虫部では小脳小舌、中心小葉、山頂、②小脳半球では小脳小舌ヒモ、中心小葉翼、四角小葉が含まれる。)

Posterior lobe of cerebellum(小脳後葉)Lobus cerebelli posterior しょうのうこうよう Feneis: 284 25

[A14_1_07_101_2] →(小脳後葉は第一裂と後外側裂の間になる区域。①小脳虫部では山腹、虫部葉、虫部隆起、虫部錐体、虫部垂、②小脳半球では単小葉、上半月小葉、薄葉、二腹小葉、小脳扁桃が含まれる。)

Flocculonodular lobe(片葉小節葉;前庭小脳)Lobus flocculonodularis へんようしょうせつよう;ぜんていしょうのう Feneis: 286 01

[A14_1_07_101_3] →(片葉小節葉は前庭神経と密接に関係することから前庭小脳ともよばれ、小脳の中で歴史的に最も古い領域であり、魚類や鳥類の小脳では大きく発達している。人の小脳では、片葉小節葉はあまり発育せず、小脳体が非常に大きくなる。大きくなった小脳体には、左右方向に走る溝ができる。この溝は第一裂と呼ばれるが、小脳体に最初にできる溝という意味であって、正式には小脳体第一裂とよぶべき溝である。小脳に最初にできる溝は後外側裂であって、第一裂は小脳全体としてみると二番目にできる溝である。第一裂ができることによって、小脳体は吻側部の前葉と、尾側部の後葉とに分けられる。小脳は元来前庭神経に続き、その中枢として生じたものである。)

Vermis of cerebellum [I-X]; *Cerebellar vermis(小脳虫部[第I-X小葉])Vermis cerebelli [I-X] しょうのうちゅうぶ[だい1-10しょうよう] Feneis: 284 16

[A14_1_07_006] →(小脳虫部は小脳のなかで系統発生学的に古い無対の部分。小脳虫部は小脳正中部の構造であるが、左右それぞれ半分が両側の前庭神経核群や橋および延髄の網様体に投射する。この投射経路には、小脳皮質前庭神経核線維(前庭神経外側核へ入るプルキンエ細胞の軸索)によるものと、室頂核(または小脳内側核)からのものとがある。小脳虫部皮質のプルキンエ浅部の軸索が室頂核(内側核)へ入るのに対して、小脳半球皮質のプルキンエ細胞の軸索は小脳中位核と歯状核(または小脳外側核)に終止する。これらの小脳核から起こる小脳の出力線維は上小脳脚を通って小脳から出ていく。小脳虫部は、吻側部で形態的に舌状の小脳小舌となって上髄帆と癒着し、虫部の下縁(虫部小節)は、左右の下髄帆の間に挿入されるように存在する。)

Hemisphere of cerebellum [H II - H X]; *Cerebellar hemispheres(小脳半球[第II-X半球小葉])Hemispherium cerebelli [H II -H X] しょうのうはんきゅう[だい2-10はんきゅうしょうよう] Feneis: 284 17

[A14_1_07_004] →(小脳の大半を占める左右の半球。系統発生上でもっとも新しい新小脳に相当する。各種の協調運動に関わるため、傷害されると、手や指で何かをしようとする際のふるえ(企図振戦)や、指を目標までスムーズに移動できない(ジメストリー)などの運動調節障害が生じる。大脳皮質との間に連絡をもつ。[→小脳のはたらき 参照](イラスト解剖学))

Anterior lobe of cerebellum(小脳前葉)Lobus cerebelli anterior しょうのうぜんよう Feneis: 284 18

[A14_1_07_102] →(小脳前葉は小脳第一裂より前方の小脳体。①虫部では小脳小舌、中心小葉、山頂、②小脳半球では小脳小舌ヒモ、中心小葉翼、四角小葉が含まれる。)

Lingula of cerebellum [I](小脳小舌;第I小葉)Lingula cerebelli [I] しょうのうしょうぜつ;だい1しょうよう Feneis: 284 19

[A14_1_07_103] →(小脳小舌は小脳虫部の前端(または上端)を形成し、2つの盛り上がる上小脳脚の間の上髄帆の表面上を前方へのびる。Larsellの区分に従えば小葉(Ⅰ)に相当する。Larsellは比較解剖学的立場より、小脳虫部の小葉にⅠからⅩまでの番号を付した。一方、人の小脳虫部は9の虫部小葉と、Larsellの小葉の対応関係は単純ではない。)

Precentral fissure of cerebellum; Post-lingual fissure of cerebellum(中心小葉前裂;小舌後裂(小脳の))Fissura precentralis cerebelli; Fissura postlingualis ちゅうしんしょうようぜんれつ;しょうぜつこうれつ(しょうのうの)

[A14_1_07_104] →(小脳の中心前裂は小脳前葉中心小葉の前部(小葉Ⅱ)と後部(小葉Ⅲ)の間にある裂で、虫部から小脳縁まで伸びている。中心前裂は小葉Ⅰと小葉Ⅱの間にみられ、後者は中心小葉の前部となる。)

Central lobule of cerebellum [II and III](小脳中心小葉;中心小葉[第II・III小葉])Lobulus centralis cerebelli [II et III] しょうのうちゅうしんしょうよう;ちゅうしんしょうよう[だい2・3しょうよう] Feneis: 284 20

[A14_1_07_105] →(小脳の中心小葉は小脳小舌と山頂の間にある小脳上虫部の部分で、Larsellの区分に従えば小葉(Ⅱ)と小葉(Ⅲ)に分けられる。)

Anterior part of central lobule of cerebellum; Ventral part central lobule of cerebellum [II](中心小葉の前部;小脳の中心小葉の腹側部[第II小葉](小脳の))Pars anterior lobuli centalis cerebelli; Pars ventralis lobuli centralis cerebelli [II] ちゅうしょうようのぜんぶ;しょうのうのちゅうしんしょうようのふくそくぶ[だい2しょうよう](しょうのうの)

[A14_1_07_106] →(小脳の中心小葉の前部はLarsellの区分に従えば小葉Ⅱに相当する。)

Posterior part of central lobule of cerebellum; Dorsal part of central lobule of cerebellum [III](後部;背側部[第III小葉](小脳の中心小葉の))Pars posterior lobuli centralis cerebelli; Pars dorsalis lobuli centralis cerebelli [III] こうぶ;はいそくぶ[だい3しょうよう](しょうのうちゅうしんしょうようの)

[A14_1_07_107] →(小脳の中心小葉の後部はLarsellの区分に従えば小葉Ⅲに相当する。)

Wing of central lobule of cerebellum(中心小葉翼[第II・III半球小葉](小脳の))Ala lobuli centralis ちゅうしんしょうようよく[だい2・3はんきゅうしょうよう](しょうのうの) Feneis: 284 22

[A14_1_07_108] →(小脳の中心小葉翼は小脳中心小葉の側方へのびだした部分。小脳半球と結合する。Larsellの区分に従えば腹側部にある小脳半球小葉(H-Ⅱ)および背側部にある小脳半球小葉(H-Ⅲ)に相当する。)

Inferior part of wing of central loble of cerebellum; Ventral part of wing of central lobule of cerebellum [H II](下部;腹側部[第II半球小葉](小脳の中心小葉翼の))Pars inferior alaris lobuli centralis cerebelli; Pars ventralis alaris lobuli centralis cerebelli [H II] かぶ;ふくそくぶ[だい2はんきゅうしょうよう](しょうのうのちゅうしんしょうようよくの)

[A14_1_07_109] →(小脳の中心小葉翼の腹側部はLarsellの区分に従えば小脳半球にある小葉Ⅱに相当する。)

Superior part of wing of central lobule of cerebellum; Dorsal part of wing of central lobule of cerebellum [H III](上部;背側部[第III半球小葉](小脳の中心小葉翼の))Pars superior alaris lobuli centralis cerebelli; Pars dorsalis alaris lobuli centralis cerebelli [H III] じょうぶ;はいそくぶ[だい3はんきゅうしょうよう](しょうのうのちゅうしんしょうようよくの)

[A14_1_07_110] →(小脳の中心小葉翼の背側部はLarsellの区分に従えば小脳半球にある小葉Ⅲに相当する。)

Preculminate fissure; Post-central fissure of cerebellum(山頂前裂;後中心裂;中心後裂(小脳の))Fissura preculminalis; Fissura postcentralis cerebelli さんちょうぜんれつ;こうちゅうしんれつ;ちゅうしんこうれつ(しょうのうの)

[A14_1_07_111] →(小脳山頂前裂は小脳皮質前葉の小葉Ⅲと小葉Ⅳとの間にある裂、すなわち中心小葉と山頂との間の裂で、虫部から小脳縁まで伸びている。)

Culmen [IV and V](山頂[第IV・V小葉])Culmen [IV et V] さんちょう[だい4・5しょうよう] Feneis: 284 21

[A14_1_07_112] →(山頂は小脳虫部前部の突起部分で、第1裂の上方の虫部葉。Larsellの区分に従えば小葉(Ⅳ)と小葉(Ⅴ)に分けられる。)

Anterior part of culmen; Ventral part of culmen [IV](前部;腹側部[第IV小葉](山頂の))Pars anterior culminis; Pars ventralis culminis [IV] ぜんぶ;さんちょうのふくそくぶ[だい4しょうよう](さんちょうの)

[A14_1_07_113] →(山頂の腹側部はLarsellの区分に従えば小葉Ⅳに相当する。)

Intraculminate fissure(山頂内裂)Fissura intraculminalis さんちょうないれつ

[A14_1_07_114] →(山頂内裂は山頂小葉にあって小脳皮質前葉の小葉Ⅳと小葉Ⅴとを分ける裂で、小脳の外側縁まで続いている。)

Posterior part of culmen; Dorsal part of culmen [V](後部;背側部[第V小葉](山頂の))Pars posterior culminis; Pars dorsalis culminis [V] こうぶ;はいそくぶ[だい5しょうよう](さんちょうの)

[A14_1_07_115] →(山頂の背側部はLarsellの区分に従えば小葉Ⅴに相当する。)

Anterior quadrangular lobule of cerebellum [H IV and H V](前四角小葉[第IV・V半球小葉](小脳の))Lobulus quadrangularis anterior cerebelli [H IV et H V] ぜんしかくしょうよう[だい4・5はんきゅうしょうよう](しょうのうの) Feneis: 284 23

[A14_1_07_116] →(小脳の前四角小葉は小脳半球の上部の主たる部分で、虫部山頂に並ぶ半球部で前部と後部からなり山頂前裂と第一裂にある。Larsellの区分に従えば小脳半球小葉(H-Ⅳ)と小脳半球小葉(H-Ⅴ)に分けられる。以前は前四角小葉は単に四角小葉と呼ばれていた。)

Anterior part of anterior quadrangular lobule of cerebellum; Ventral part of anterior quadrangular lobule of cerebellum [H IV](前部;腹側部[第IV半球小葉](小脳の前四角小葉の))Pars anterior lobuli quadrangularis anterioris; Pars ventralis quadrangularis anterioris cerebelli [H IV] ぜんぶ;ふくそくぶ;[だい4はんきゅうしょうよう](しょうのうのぜんしかくしょうようの)

[A14_1_07_117] →(小脳の前四角小葉の腹側部はLarsellの区分に従えば小脳半球小葉Ⅳに相当する。)

Posterior part of anterior quadrangular lobule of cerebellum; Dorsal part of anterior quadrangular lobule of cerebellum [H V](後部;背側部[第V半球小葉](小脳の前四角小葉の))Pars posterior lobuli quadrangularis anterioris cerebelli; Pars dorsalis lobuli quadrangularis anterioris cerbelli [HV] こうぶ;はいそくぶ[だい5はんきゅうしょうよう](しょうのうのぜんしかくしょうようの)

[A14_1_07_118] →(小脳の前四角小葉の背側部はLarsellの区分に従えば小脳半球小葉Ⅴに相当する。)

Primary fissure of cerebellum; Preclival fissure of cerebellum(第一裂;山腹前裂;斜台前方裂(小脳の))Fissura prima; Fissura preclivalis だいいちれつ;さんぷくぜんれつ;しゃだいぜんぽうれつ(しょうのうの) Feneis: 284 24

[A14_1_07_119] →(小脳の第一裂は小脳の最も深い溝で、前葉と後葉とを分画している。つまり四角小葉と単小葉間の切れ目。)

Posterior lobe of cerebellum(小脳後葉)Lobus cerebelli posterior しょうのうこうよう Feneis: 284 25

[A14_1_07_201] →(小脳後葉は第一裂と後外側裂の間になる区域。①小脳虫部では山腹、虫部葉、虫部隆起、虫部錐体、虫部垂、②小脳半球では単小葉、上半月小葉、薄様、二腹小葉、小脳扁桃が含まれる。)

Simple lobule of cerebellum [H VI and VI](単小葉[第VI半球小葉と第VI小葉](小脳の))Lobulus simplex cerebelli [H VI et VI] たんしょうよう[だい6はんきゅうしょうようとだい6しょうよう](しょうのうの) Feneis: 284 32

[A14_1_07_202] →(小脳の単小葉は小脳半球後部の中で前方に位置する小葉で、第一裂で前は前部(四角小葉)と堺し、後ろは後上裂によって大きな係蹄小葉と境している。これまでは小脳半球小葉(H-Ⅵ)を単小葉と呼んでいたがTAでは後四角小葉とし、後四角小葉と山腹を合わせて単小葉と呼んでいる。)

Declive [VI](山腹[第VI小葉](小脳の))Declive [VI] さんぷく[だい6しょうよう](しょうのうの) Feneis: 284 26

[A14_1_07_203] →(小脳の山腹は小脳虫部で山頂より背側へ下る部分で、第一裂の下方の虫部葉、Larsellの区分に従えば小脳虫部の小葉(Ⅵ)に相当する。)

Posterior quadrangular lobule of cerebrallum [H VI]; Simplex lobule(後四角小葉[第VI半球小葉])Lobulus quadrangularis posterior cerebelli [H VI] こうしかくしょうよう[だい6はんきゅうしょうよう]

[A14_1_07_204] →(小脳の後四角小葉はこれまで単小葉と呼ばれていた。Larsellの区分に従えば小脳半球の小葉Ⅵに相当する。)

Posterior superior fissure of cerebellum; Post-clival fissure of cerebellum(上後裂;山腹後裂(小脳の))Fissura posterior superior cerebelli; Fissura post clivalis じょうこうれつ;さんぷくこうれつ(しょうのうの)

[A14_1_07_205] →(小脳後葉の後四角小葉Ⅵと上半月小葉Ⅶの間にある裂で、小脳外側縁まで延びている。)

Folium of vermis [VII A](虫部葉[第VII A小葉])Folium vermis [VII A] ちゅうぶよう[だい7Aしょうよう] Feneis: 284 27

[A14_1_07_206] →(虫部葉は左右の上半月小葉間をむすぶ狭い帯部。Larsellの区分に従えば小葉(Ⅶa)に相当する。)

Semilunar lobules of cerebellum; Ansiform lobule of cerebellum [H VII A](半月小葉;係蹄状小葉[第VII A半球小葉](小脳の))Lobuli semilunares cerebelli; Lobul ansiformis cerebelli [H VII A] はんげつしょうよう;けいていじょうしょうよう[だい7Aはんきゅうしょうよう](しょうのうの)

[A14_1_07_207] →(小脳半球の大半を形成する。その上面と下面は水平裂で隔てられており、その主要部分は第Ⅰ脚(上半月小葉)と第Ⅱ脚(下半月小葉)として知られている。Larsellの区分に従えば小脳半球小葉Ⅶaに相当する。)

Superior semilunar lobule of cerebellum; First crus of aniform lobule of cerebellum [H VII A](上半月小葉;係蹄状小葉第一脚[第VII A半球小葉](小脳の))Lobulus semilunaris superior cerebelli; Crus primum lobuli ansiformis cerebelli [H VII A] じょうはんげつしょうよう;けいていじょうしょうようだい1きゃく[だい7Aはんきゅうしょうよう](しょうのうの) Feneis: 284 33

[A14_1_07_208] →(小脳の上半月小葉は小脳半球上面のうち、水平裂と正中傍裂との間の部分と虫部葉と虫部隆起の一部を合わせた部。係蹄小葉の第Ⅰ脚とも呼ばれる。)

Horizontal fissure of cerebellum; Intercrural fissure of cerebellum(水平裂;脚間裂(小脳の))Fissura horizontalis cerebelli; Fissura intercruralis cerebelli すいへいれつ;きゃくかんれつ(しょうのうの) Feneis: 284 34

[A14_1_07_209] →(小脳の水平裂は小脳の係蹄小葉の第Ⅰ脚と第Ⅱ脚に2大別している水平な裂溝。つまり上および下半月小葉間の深い隙間。)

Inferior semilunar lobule of cerebellum; Second crus of ansiform lobule of cerebellum [H VII A](下半月小葉;係蹄状小葉第二脚[第VII A半球小葉](小脳の))Lobulus semilunaris inferior; Crus secundum lobuli ansiformis cerebelli[H VII A] かはんげつしょうよう(しょうのうの);けいていじょうしょうようのだい2きゃく[だい7Aはんげつしょうよう] Feneis: 284 35

[A14_1_07_210] →(小脳の下半月小葉は上半月小葉および単小葉の間にある。)

Inferior posterior sulcus; Lunogracile fissure; Ansoparamedian fissure(薄月状裂;係蹄正中傍裂)Fissura inferior posterior; Fissura lunogracilis; Fissura ansoparamedianis はくげつじょうれつ;けいていせいちゅうぼうれつ

[A14_1_07_211] →(小脳皮質後葉の係蹄小葉の第二脚(H VII A)と正中傍小葉(H VII B)の間の裂。)

Tuber of vermis [VII B](虫部隆起[第VII小葉])Tuber vermis [VII B] ちゅうぶりゅうき[だい7しょうよう] Feneis: 284 28

[A14_1_07_212] →(小脳の虫部隆起は小脳虫部下方の後部で、虫部葉と虫部錐体の間に位置する。Larsellの区分に従えば小葉(Ⅶb)に相当する。)

Gracile lobule; Paramedian lobule [H VII B](薄小葉;正中傍小葉[第VII B半球小葉](小脳の))Lobulus gracilis; Lobulus paramedianus [H VII B] はくしょうよう;せいちゅうぼうしょうよう[だい7Bはんきゅうしょうよう](しょうのうの) Feneis: 284 36

[A14_1_07_213] →(小脳の薄小葉は小脳の後下小葉の前方部分。後方部分は下半月葉である。この2つの部分は虫部の結節に連続する。Larsellの区分に従えば小脳半球の小葉Ⅶbに相当する。)

Prebiventral fissure; Prepyramidal fissure of cerebellum(二腹小葉前裂;錐体前裂)Fissura prebiventralis; Fissura prepyramidalis cerebelli にふくしょうようぜんれつ;すいたいぜんれつ

[A14_1_07_214] →(小脳後葉の小葉Ⅶと小葉Ⅳとの間にある裂で、前葉と後葉とを分画している。第二列は胎生期にもに出現する。)

Pyramis; Pyramid of vermis [VIII](虫部錐体[第VIII小葉])Pyramis vermis [VIII] ちゅうぶすいたい[だい8しゅうよう] Feneis: 284 29

[A14_1_07_215] →(小脳虫部錐体は小脳虫部葉下方で虫部隆起と虫部垂の間の部分。Larsellの区分に従えば小葉(Ⅷ)に相当する。)

Biventral lobule [H VIII](二腹小葉[第VIII半球小葉])Lobulus biventer [H VIII] にふくしょうよう[だい8はんきゅうしょうよう] Feneis: 284 37

[A14_1_07_216] →(二腹小葉は小脳半球の下面にある小葉で、弯曲した溝によって外側部、内側部に分けられる。虫部錐体に相応する。Larsellの区分に従えば小脳半球の小葉(Ⅷ)に相当する。)

Lateral part of biventral lobule; Pars copularis [H VIII A](外側部[第VIII A半球小葉](二腹小葉の))Pars lateralis lobuli biventralis; Pars copularis lobuli paramediani [H VIII A] がいそくぶ[だい8Aはんきゅうしょうよう](にふくしょうようの)

[A14_1_07_217] →(二腹小葉の外側部はLarsellの区分に従えば小脳半球の小葉Ⅷaに相当する。)

Intrabiventral fissure; Anterior inferior fissure of cerebellum(二腹小葉内裂;前下裂;下前裂(小脳の))Fissura intrabiventralis; Fissura anterior inferior cerebelli にふくないれつ;ぜんかれつ;かぜんれつ(しょうのうの)

[A14_1_07_218] →(小脳の二腹小葉の内側部と外側部を分ける弯曲した溝。)

Medial part of biventral lobule; Dorsal parafloccularis [H VIII B](二腹小葉内側部;背側傍片葉[第VIII B半球小葉](二腹小葉の))Pars medialis lobuli biventralis; Lobulus parafloccularis dorsalis [H VIII B] にふくしょうようないそくぶ;はいそくぼうへんよう[だい8Bはんきゅうしょうよう](にふくしょうようの)

[A14_1_07_219] →(二腹小葉内側部はLarsellの区分に従えば小脳半球の小葉Ⅷbに相当する。)

Secondary fissure of cerebellum; Post-pyramidal fissure of cerebellum(第二裂;錐体後裂(小脳の))Fissura secunda cerebelli; Fissura postpyramidalis cerebelli だい2れつ;すいたいこうれつ(しょうのうの) Feneis: 284 30

[A14_1_07_220] →(小脳の第二裂は虫部錐体と虫部垂のあいだの小脳溝である。)

Uvula vermis [IX](虫部垂[第IX小葉])Uvula vermis [IX] ちゅうぶすい[だい9しょうよう] Feneis: 284 31

[A14_1_07_221] →(小脳虫部垂は小脳虫部上の三角形の隆起で、錐体の前方の2つの扁桃の間にある。Larsellの区分に従えば小葉(Ⅸ)に相当する。)

Tonsil of cerebellum; Ventral paraflocculus [H IX](小脳扁桃;腹側傍片葉[第IX半球小葉])Tonsilla cerebelli; Paraflocculus ventralis [H IX] しょうのうへんとう;ふくそくぼうへんよう[だい9はんきゅうしょうよう] Feneis: 284 38

[A14_1_07_222] →(小脳扁桃は左右の小脳半球の下面にある円形な小葉。内側は小脳虫部垂に続く。小脳片葉の傍らの腹側部にあるところから腹側傍片葉と呼ばれている。Larsellの区分に従えば小脳半球の小葉(H-Ⅸ)に相当する。)

Posterolateral fissure of cerebellum(後外側裂(小脳の))Fissura posterolataralis cerebelli こうがいいそくれつ(しょうのうの) Feneis: 284 39

[A14_1_07_223] →(小脳の後外側裂は小脳の発育時に最も早く現れる裂で、小葉と小節とを虫部垂と扁桃から分離している。)

Flocculonodular lobe(片葉小節葉;前庭小脳)Lobus flocculonodularis へんようしょうせつよう;ぜんていしょうのう Feneis: 286 01

[A14_1_07_301] →(片葉小節葉は前庭神経と密接に関係することから前庭小脳ともよばれ、小脳の中で歴史的に最も古い領域であり、魚類や鳥類の小脳では大きく発達している。人の小脳では、片葉小節葉はあまり発育せず、小脳体が非常に大きくなる。大きくなった小脳体には、左右方向に走る溝ができる。この溝は第一裂と呼ばれるが、小脳体に最初にできる溝という意味であって、正式には小脳体第一裂とよぶべき溝である。小脳に最初にできる溝は後外側裂であって、第一裂は小脳全体としてみると二番目にできる溝である。第一裂ができることによって、小脳体は吻側部の前葉と、尾側部の後葉とに分けられる。小脳は元来前庭神経に続き、その中枢として生じたものである。)

Nodule of vermis [X](小節;虫部小節[第X小葉])Nodulus vermis [X] しょうせつ;ちゅうぶしょうせつ[だい10しょうよう] Feneis: 286 02

[A14_1_07_302] →(小脳虫部小節は片葉脚により片葉と連絡する虫部の隆起。Larsellの区分に従えば小脳半球の小葉(Ⅹ)に相当する。)

Peduncle of flocculus(片葉脚;片葉柄)Pedunculus flocculi へんようきゃく;へんようへい Feneis: 286 04

[A14_1_07_303] →(片葉脚は虫部小節との結合索で一部は下髄帆に移行する。)

Flocculus [H X](片葉[第X半球小葉])Flocculus [H X] へんよう[だい10はんきゅうしょうよう] Feneis: 286 03

[A14_1_07_304] →(片葉は下小脳脚と二腹小葉の後方で中小脳脚後縁にある小脳の小葉。虫部結節と連絡しており、これらの2つの構造は小脳前庭部を構成する。Larsellの区分に従えば小脳半球小葉(H-Ⅹ)に相当する。)

Internal features(内部の特徴(小脳の))Morphologia interna ないぶのとくちょう(しょうのうの) Feneis: 286 09 [A14_1_07_304_2]

Arbor vitae(小脳活樹;生命樹)Arbor vitae; Arbor vitae cerebelli しょうのうかつじゅ;せいめいじゅ Feneis: 286 10

[A14_1_07_401] →(小脳括樹は矢状断面において髄体から分岐した複雑な樹木のようにみえる見える髄板と小脳回の状態を活樹となづける。また、昔から後頭骨と第一頚椎の間から針を刺すと死亡することから生命に関係するところ「生命の樹」と誤って考えられたことによる。実際には延髄損傷による死亡である。)

Cerebellar cortex; Cortex of cerebellum(小脳皮質)Cortex cerebelli しょうのうひしつ Feneis: 286 13

[A14_1_07_402] →(小脳皮質は小脳のすべての部分で均一な構造を示し、左右を分ける正中の縫線もなく広がり、表面から①分子層、②Purkinje細胞層、③顆粒層の3層に明瞭に分かれ、その中に5種類の細胞が含まれる。)

ヒトの小脳皮質の断面(TH. Meynert).×150 1 小脳皮質の灰色層および2横走する極めて細い有髄神経線維;3 プルキンエ 細胞;4 顆粒層;5 髄質稜の一部.

小脳皮質の神経細胞の主要形と線維の種類

小脳皮質の灰色層のグリア細胞 7ヵ月のヒト胎児の小脳回転の皮質を垂直断してある(Retzius).右側にプルキンエ細胞の断片がみえる.

小脳皮質の灰色層の周辺部 浅境界膜(5)が持ちあげられている. 1 柔膜;2 灰色層の外側の境界;3 小脳上リンパ腔;4 灰色層のグリア細胞の突起.4の上方にリソパ球が1つある;5 グリア足のある浅境界膜.

Granular layer of cerebellar cortex(顆粒層;顆粒細胞層(小脳皮質の))Stratum granulosum corticis cerebelli かりゅうそう;かりゅうさいぼうそう(しょうのうひしつの) Feneis: 286 16

[A14_1_07_403] →(顆粒細胞層はニッスル染色標本ではリンパ球に似た染色質をもつ核が密集して見える。顆粒細胞は非常に密集しており(300万~700万/mm3)、細胞の軸索や他の線維が通る余裕がないほどである。顆粒細胞の直径5~8μmの円形または卵円形の細胞で、核膜の周囲には染色質顆粒が集まっている。細胞形質やNissl小体が少ないので核が露出しているように見える。顆粒細胞はグルタミン酸塩に対して免疫反応性をもつ。顆粒細胞からは4,5本の短い樹状突起が出て“小脳糸球”に終わっている。小脳糸球は小脳島ともいわれ、顆粒細胞のない部分であり、不規則に散在する。顆粒細胞の軸索は無髄で、分子層を垂直に上行し、表層で分岐して小葉の長軸に平行に走る。これらの線維を平行線維といい、分子層の全層にわたって認められ、Purkinje細胞の樹状突起の広がりに対して直角に走る。これをたとえてみると、繋がった木の枝を伝染が通過しているようなものである。軸索はPurkinje細胞樹状突起の棘とシナプス結合するが、これを“交叉性”シナプスと呼ぶ。GolgiⅡ型細胞は主に顆粒層の上部にあり、小胞状の覚と色素によく染まる胞体をもつ。その樹状突起は小脳皮質全層にわたり、方向性のない分枝を行い、分子層内で平行線維に接する。また、軸索は細胞体の下の果粒層内で数多く分枝し、“小脳糸球”に終わる。)

Purkinje cell layer; Ganglionic layer of cerebellar cortex(プルキンエ細胞層;梨状細胞層;神経節細胞層(小脳皮質の))Stratum purkinjenase corticis cerebelli ぷるきんえさいぼうそう;りじょうさいぼうそう;しんけいせつさいぼうそう(しょうのうひしつの)Purkinje cell layer Feneis: 286 15

[A14_1_07_404] →(プルキンエ細胞層とよばれるほうが一般的で梨状細胞層とはよばれることはすくない。この層は顆粒層の上縁に一列に並ぶ多数の大型でフラスコ型をした細胞(Purkinje細胞)からなる。Purkinje細胞は濃染する核小体のある明瞭な小胞状の核をもち、Nissl小体は不規則で、胞体からは小葉の長軸に対して直角な面にのみ広がる扁平な扇状の特異な樹状突起が出る。この分枝の範囲は矢状断切片でのみ明らかに認めることができる。樹状突起の第一次、第二次分枝の表面は滑らかであるが、第三次分枝以後は表面に太く短く粗い棘をもつ。これらの太い樹状突起の棘を有棘小枝spiny branchletあるは芽球という。より大きな樹状突起はさらに太く短い棘があり、平滑小枝smooth branchletとよばれる。Purkinje細胞の軸索は有髄で、顆粒層および白質を通り深部の小脳核にシナプス結合するが、その場合に最短距離を通って投射する。Purkinje細胞の特徴は一面的拡がりをもつことで、樹状突起分枝および軸索投射が長軸に対して垂直の面に限られる。Purkinje細胞の軸索は小脳皮質からの遠心性経路であるが、その側枝は顆粒層内のGolgiⅡ型細胞とシナプス結合する。生化学的研究により、大部分のPurkinje細胞がγ-アミノ酪酸(GABA)を含有し、これが主要な伝達物質であることが明らかにされた。小脳のこの細胞は神経細胞として最初に同定され(1837)、また顕微鏡的にその詳細が明らかにされたのも最初の物である。さらに伝達物質の生合成に関与しない特定の免疫標識物質が見いだされた最初の神経細胞の一つでもある。Guanosine 3':5'-リン酸塩-依存性プロテインキナーゼ(cGK)抗血清はPurkinje細胞に特的な免疫組織化学標識物質であり、細胞形質、樹状突起および軸索分枝を染め出す。ボヘミア(チェコ)の生理学者Johannes Evangelista von Purkinjeはドイツに学び、プレスローの教授であったのち、故国プラハの教授となる。1842年に最初の生理学実験室をプレスローに設立した人。ミクロトーム、ガラス板、バルサム封入法を発明。小脳のプルキンエ細胞を1837年に、心臓のプルキンエ線維を1839年に記述している。)

Molecular layer of cerebellar cortex(分子層(小脳皮質の))Stratum moleculare corticis cerebelli ぶんしそう(しょうのうひしつの) Feneis: 286 14

[A14_1_07_405] →(分子層には2種類の細胞、深層にある細胞の樹状突起の分枝および小葉の長軸に平行に走る多数の細い軸索がある。細胞は籠細胞と外星状細胞で、これらの細胞の樹状突起と外星状細胞の軸索とは分子層内のみにとどまる。また両細胞の軸索は矢状面に配列し(小葉の長軸に対して直角)、そのうち外星状細胞の軸索はPurkinje細胞の樹状突起にシナプス結合する。籠細胞はこの層で深部でPurkinje細胞体の近くに位置し、その樹状突起は分子層を上行し、また無髄の軸索は矢状面において多くのPurkinje細胞体の周囲に複雑な終末分枝を作る。1つの籠細胞は小葉の前後軸の方向へ約10個のPurkinje細胞とシナプス結合する。分層にはこれら比較的少数の細胞のほかにPurkinje細胞とGolgiⅡ型細胞の樹状突起および小葉の長軸に沿って横走する顆粒細胞の軸索(平行線維)がある。樹状突起は小脳回の長軸に対して直角の方向に広く扇状に分枝して分子層に拡がる。軸索は小脳皮質を出て小脳核や前庭神経核に、また軸索反回側枝は他のPurkinje細胞やGolgi細胞におわり抑制的に作用する。)

Cerebellar nuclei(小脳核)Nuclei cerebelli しょうのうかく Feneis: 286 17

[A14_1_07_406] →(小脳の深部にある灰白質で内側から外側にかけて室頂核、栓状核、球状核、歯状核の四つの核が区別される。下等哺乳類では、室頂核に相当する内側核、歯状核に相当する外側核、および両者の間に位置する中位核が区別さえる中位核はさらに、栓状核と球状核に相当する前中位核と後柱胃角とに分けられる。室頂核は第四脳室の室頂のところで正中線の両側に存在する。歯状核は他の核に比して系統発生的に新しく、動物が高等になるにつれて発育がよくなり、ヒトでは最大の核となる。その形はオリーブ核に似て、しわのある袋状をなし、内側に向けられたその口は、歯状核門とよばれる。そこは歯状核細胞の軸索が集まって出るところである。小脳視床路、小脳赤核路などがある。室頂核からは、下小脳脚を通る鈎状束を含む室頂核延髄路・脊髄路がある。その他、小脳核の細胞の遠心性軸索の側枝は小脳皮質にも投射する(核皮質線維)。小脳核は小脳皮質のPurkinje細胞の抑制性投射を受ける。これには局在性が認められ、原則として小脳皮質虫部は室頂核に、虫部傍皮質は中位核(栓状核と球状核)に、外側の半球部皮質は歯状核に投射する。これに対して興奮性の求心路としてオリーブ核、外側毛様体か区、舌下神経周囲核、前庭神経核、脊髄などからの投射がある。これらの求心路は小脳核に対して局在性をもって終止する。大部分は皮質へ向かう投射路の側枝である。)

小脳内部の灰白質の諸核 小脳の髄質核を通る水平断面.(9/10)

Dentate nucleus; Nucleus lateralis cerebelli(歯状核;小脳外側核)Nucleus dentatus; Nucleus lateralis cerebelli しじょうかく;しょうのうがいそくかく Feneis: 286 18

[A14_1_07_407] →(歯状核は小脳核の中で最も外側にある最も大きい核。小脳半球の白質中に位置する。この核は横断切片では渦巻形の灰白質が袋状に並び、袋の口(歯状核門)が内側方に向かい、下オリーブ複合核によく似ている。核は主に大型で多くの分枝した樹状突起をもつ多極細胞よりなる。より内側に位置している球状核や栓状核とともに、上小脳脚または結合腕を形成する線維の主な起始をなす。)

Hilum of dentate nucleus(歯状核門;歯状核口)Hilum nuclei dentati しじょうかくもん;しじょうかくこう Feneis: 286 19

[A14_1_07_408] →(小脳の歯状核門は小脳のフラスコ状歯状核門で、内方を向き、上小脳脚または結合腕をつくる線維群に出口を与えている。)

Emboliform nucleus; Anterior interpositus nucleus(栓状核;前中位核)Nucleus interpositus anterior; Nucleus emboliformis せんじょうかく;ぜんちゅういかく Feneis: 286 20

[A14_1_07_409] →(栓状核は楔形の細胞集団で、歯状核門の知覚に位置する。歯状核とよく似た細胞からなり、しばしば両者を区別することが困難である。小脳皮質中間域のPurkinje細胞の軸索を受ける。この核の細胞の軸索は上小脳脚から小脳を出て行く。 TAではAnterior interpositus nucleus; Emboliform nucleusとなっている。)

Globose nucleus; Posterior interpositus nucleus(球状核;後中位核)Nucleus interpositus posterior; Nucleus globosus きゅうじょうかく;こうちゅういかく Feneis: 286 21

[A14_1_07_410] →(球状核は2~3個の円い細胞集団で、栓状核の内側、室頂核の外側に位置する。ここには大型および小型の多極細胞がある。下等哺乳動物では栓状核と球状核は連続しているように見え、これらを一括して中位核とよぶ。その組成細胞および線維連絡の違いにより、これはヒトの、①栓状核に相当する前中位核と、②球状核に相当する後中位核に区別される。)

Fastigial nucleus; Nucleus medialis cerebelli(室頂核;小脳内側核;内側核)Nucleus fastigii; Nucleus medialis cerebelli しつちょうかく;しょうのうないそくかく;ないそくかく Feneis: 286 22

[A14_1_07_411] →(室頂核は小脳核のうち最も内側で、第四脳室上壁の正中線知覚に位置する。核の中で細胞に差があり、小型細胞が腹側を示す。この核の外側縁の細胞は腹外側に伸びて前庭神経核に向かっているが、GolgiⅡ型細胞は存在しないようである。他の小脳核の細胞と異なり、室頂核細胞からは交叉性および非交叉性軸索が出、そのうち交叉性のものは核の吻側部から多く出る。小脳核の細胞はPurkinje細胞とは異なり、促進的で、小脳の外に投射する。免疫組織化学の研究結果から、小脳核の全ての細胞の促進性伝達物質はグルタミン酸塩およびアスパラギン酸塩であるらしいと考えられる。小脳皮質からの唯一の出力であるプルキンエ細胞は一定の配列様式をもって小脳核に投射し、小脳髄質中に存在する細胞群(小脳核)から起こる促進性出力系に対して抑制的に働く。室頂核からの遠心性線維は、①上小脳脚を通らない、②大部分が小脳内で交叉する。③脳幹各部の神経核に投射する、点で特徴的である。室頂核からの交叉性線維は鈎状束を通って小脳の外に出るが、これは上小脳脚の周囲を弓形に走る。また非交叉性線維は傍索状体を通って脳幹に投射する。鈎状束中の交叉性線維は室頂核のすべての部位の細胞から起こり、その数は傍索状体中を走る非交叉性線維より多い。室頂核からの投射線維のうちで最も多いのは下位脳幹へ到るものである。前庭神経核への投射は両側性で、前庭神経外側核および下核の腹側部に対称性に終わる。室頂核網様体線維は主に核の吻側部から起こり、大部分交叉して、①巨大細胞性網様核の内側部、②橋網様体尾側部、③傍正中網様核背側部および④外側網様核の各部に終止する。交叉性の室頂核橋線維は鈎状束から分かれて腹側に走り、橋核の背外側部に終わる。また少数の交叉性室頂核脊髄線維が上部頚髄まで下行し、そこで前柱細胞に接続する。室頂核からの線維のうち、少数のものは脳幹の背外側部を上行し、側枝を上丘および交連核に送り視床の細胞が疎らな部位(VLcとVPLo)に両側性に終わる。これらの終止は歯状核および中位核からの中位核からの終止と重なり合うことはない。)

Cerebellar peduncles(小脳脚)Pedunculi cerebellares しょうのうきゃく Feneis: 286 23

[A14_1_07_412] →(小脳に入る経路または小脳から出る経路の通るところで、上、中、下の三つの小脳脚がありその総称である。)

小脳脚および脳幹内の若干の伝導路を線維束分離法によって示してある(Büttner, Z. Anat. Entw.1927による).

Inferior cerebellar peduncle(下小脳脚)Pedunculus cerebellaris inferior かしょうのうきゃく Feneis: 286 24

[A14_1_07_413] →(下小脳脚は複合線維束であり、脊髄と延髄の細胞群から起こり小脳へ投射する線維で構成されている。この線維は副楔状束核の外側、および三叉神経脊髄路の背側の延髄後外側縁に沿って集まり下小脳脚に入る。索状体という外側の大きな束と索状体傍体という内側の小さな束とからなる脊髄ニューロンと延髄中継核からの線維の複合体である。この線維束は上部延髄ではさらに多くの線維が加わることによって急速に増大し、小脳に入る。交叉性のオリーブ小脳路の線維は下小脳脚の最大の構成成分をなしている。下小脳脚を通る求心路には後脊髄小脳路、副楔状束核小脳路、オリーブ小脳路などがある。前庭小脳路、網様体小脳路、三叉神経小脳路などの求心路や小脳皮質前庭路、室頂核前庭路(鈎状束)などの遠心路は下小脳脚内側部、すなわちMeynertのIAK(innere Abteilung des uteren Kleinhirnstiels, Corpus juxtarestifome)とよばれるところを通る。下小脳脚を経由して小脳にインパルスを中継するその他の延髄の核は、①延髄の外側網様核、②副楔状束核、③傍正中網様核、④弓状核、⑤舌下神経周囲核である。外側網様核と副楔状束核からの投射は非交叉性であるが、他の延髄中継核からくるものは交叉性、非交叉性の両方がある。非交叉性の後脊髄小脳路もこの脚を経由して小脳に投射する。)

Restiform body(索状体)Corpus restiforme さくじょうたい

[A14_1_07_414] →(索状体は下小脳脚の大部分を占める外側部の純求心性線維束である。脊髄から小脳への脊髄小脳線維と延髄から小脳へのオリーブ小脳路、毛様体小脳路、楔状核小脳路、三叉神経小脳路、背側脊髄小脳路などを含む。)

Juxtarestiform body(傍索状体;索状傍体)Corpus juxtarestiforme ぼうさくじょうたい;さくじょうぼうたい

[A14_1_07_415] →(下小脳脚の内側を通る前庭神経の線維群を傍索状体と呼んでいる。傍索状体は一次および二次前庭小脳線維と、虫部垂、小節、および室頂核から起こる小脳前庭線維を含む。)

Middle cerebellar peduncle; Brachium pontis(中小脳脚;橋腕;橋小脳脚)Pedunculus cerebellaris medius; Brachium pontis; Crus pontocerebellare ちゅうしょうのうきゃく;きょうわん;きょうしょうのうきゃく Feneis: 286 25

[A14_1_07_416] →(中小脳脚(橋腕)は3対ある小脳脚のうち最大のもので、主として橋核から起始する線維からなり、橋底の正中線を越えて対側の背側に移り太い束となって橋被蓋の外側を乗り越えて小脳にはいる。少数の対側へ移らない線維もある。少数の側副線維が小脳核に達している以外ほとんどが橋小脳路線維からできている。)

Superior cerebellar peduncle(上小脳脚;結合腕;小脳大脳脚)Pedunculus cerebellaris superior; Brachium conjunctivum; Crus cerebellocerebrale じょうしょうのうきゃく;けつごうわん;しょうのうだいのうきゃく Feneis: 286 26

[A14_1_07_417] →(上小脳脚(結合腕Brachium conjunctivum)は主として小脳を出る線維からなる。その主体をなす線維は小脳視床路と小脳赤核路である。これらは主として歯状核から出て、腹内側方に進んで深部に入り、中脳下半で大部分交叉し、上小脳脚交叉(結合腕交叉)を作り、反対側の中脳被蓋を上行し、一部は赤核に終わるが(小脳赤核路)、一部はさらに視床の前外側腹側核に至る(小脳視床路)。なお上小脳脚の表面を前脊髄小脳路が逆行して小脳に入り、主としてその前葉に分布する。また鈎状束は室頂核から出て大部分交叉し、上小脳脚の背外側をへて鈎状に曲がり、下小脳脚内側部の上部に来て前庭神経各核にならびに橋、延髄の網様体内側部に分布する。)

White matter; White substance; Medullary body (of cerebellum)(小脳白質;小脳髄体;小脳の髄体)Corpus medullare cerebelli しょうのうはくしつ;しょうのうずいたい;しょうのうのずいたい Feneis: 286 11

[A14_1_07_418] →(小脳髄体は小脳の内部にあり、これから小脳回に向かって突起、すなわち白質板(髄板)を出す。髄体は小脳内を互いに連絡する線維と、小脳に出入りする線維からなる。前者には同側の小脳皮質の各部の間を結合するもの(連合線維)、両側の皮質を結ぶもの(交連線維)および皮質から小脳核に至るもの(小脳皮質核線維)がある。小脳皮質核線維には局在が認められ、小脳半球部の大部分は歯状核と結合し、虫部は主として室頂核に、半球部と虫部の中間部は球状核および栓状核と結合する。片葉と小節は前庭神経核に線維を出している。小脳核から出る線維は小脳の遠心路をなし、小脳脚を通って小脳を出る。小脳に入る線維は小脳脚を経て直接小脳皮質に分布する。これには2種類がある。苔状線維は顆粒層内で盛んに分岐して小脳糸球を作り、顆粒細胞の樹状突起と連接して終わるが、登上線維はPurkinje細胞体のまわりにからみ、ついでその樹状突起をよじのぼりつつ分子層を上る。苔状線維は脊髄小脳路、副楔状束核小脳路、橋小脳路、網様体小脳路および前庭神経路の終末と考えられれ、登上線維はオリーブ小脳に続くといわれる。)

White laminae(白質板)Laminae albae はくしつばん Feneis: 286 12

[A14_1_07_418_1] →(髄体から小脳回へ放散する白質。(Feneis))

Cerebellar commissure(小脳交連)Commissura cerebelli しょうのうこうれん

[A14_1_07_419] →(小脳からの主な出力は小脳核から起こる。室頂核からは交叉性の鈎状束と非交叉性の直接性室頂核延髄路が起こる。鈎状束は小脳内の小脳交連で交叉し、上小脳脚に入り、外方から前庭神経核群に入る。)

Uncinate fasciculus of cerebellum(小脳鈎状束)Fasciculus uncinatus cerebelli しょうのうこうじょうそくRussell, Uncinate bundle of

[A14_1_07_420] →(小脳鈎状束は室頂核の遠心性線維で、小脳を横切り上小脳脚の外側面を下行し、大部分は前庭神経核および橋・延髄の網様体に終止する。鈎状束からは一群の情勢線維が出て、はじめ上小脳脚を背内方を走り、次いで中心被蓋束の背方を上行して、中脳被蓋外側部と上丘深層に終止する。また、これらの神経線維は間脳においては視床髄板内核、内側腹側核、外側腹側核に終止する。)

Prosencephalon; Forebrain(前脳)Prosencephalon ぜんのう Feneis: 292 01

[A14_1_07_500] →(原始脳胞前部さらに発達して間脳と終脳とに分かれる。Prosencephalonは、「前」を意味するギリシャ語の接頭詞prosと、「脳」を意味するencephalonを結合させた語である。)

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