一般解剖学

系統解剖学



最終更新日: 12/06/18

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Nervous system(神経系)Systema nervosum

目次

General terms(一般用語(神経系の))Nomina generalia いっぱんようご(しんけいけいの)

ヒトの中枢および末梢神経の横断

汎在基礎網 ヒトの小脳皮質.a~g樹状突起,1~6 神経突起(軸索突起),その神経原線維は基礎網のなかにある.(Held,1929)

細胞周囲の神経終末網 若いイヌの神経細胞(Veratti,1900).

ニューロンの細胞体および樹状突起に側枝がきて終る様子 後索の線維であって,その側枝が後柱膠様質の細胞に達しているのである(Betheの原著, Cajalより引用).

細胞周囲の神経終末網 イヌの脊髄前柱の細胞(Heldによる,1929).

興奮が樹状突起および神経突起を介してニューロンのあいだを伝わることの例.クローム銀染色法による哺乳類の網膜(Cajalによる).矢印は神経伝導の方向を示す.

刺激が一次ニューロンから二次ニューロンに伝わる具合を示す模型図 矢印は興奮の伝ってゆく路を示す,神経突起は赤色.図361.一次ニューロンの終末分枝によって二次ニューロンの樹状突起の枝への刺激伝達が仲介されている

一次ニューロンの側枝の終末分枝によって二次ニューロンの細胞体への刺激伝達が仲介されている.

一次ニューロンの側枝の終末分枝によって二次ニューロンの細胞体への刺激伝達が仲介されている.

神経内膜,神経周膜,神経上膜;太い神経線維と細い神経線維.ヒトの坐骨神経の横断面の一部.

脊髄神経節の細胞とその結合組織性の被膜および(グリヤ性の)外套細胞 ヒトの脊髄神経節(C. VI)より.

ヒトの脊髄神経節の大きな細胞(100µ)とその結合組織性被膜(Lenhossék)

A. 単純結合Conjugatio simplex, B. 相互結合Conjugatio mutua,×印のところで交叉している.

ヒトの坐骨神経 横断

ヒトの下頚神経節 その一部を弱拡大で示す.

Nerve fibre; Nerve fiber(神経線維)Neurofibra しんけいせんい Feneis:

[A14_0_00_001] →(神経突起、樹状突起を問わず、神経細胞体から出る長い突起を神経線維とよぶ。神経突起には内外ものが多く神経線維とよばれるが、末梢の知覚神経の樹状突起も長く、神経線維である。神経線維はSchwann鞘の有無、髄鞘(ミエリン鞘)の有無によって、有鞘有髄、無鞘無髄の4種類に分けられる。これらのさやにつつまれた突起を軸索と呼ぶ。一般に軸索とは神経突起と同義語に用いられるが、樹状突起にも上記の鞘をかぶるものがある。神経線維は興奮の伝導方向によって求心性線維と遠心性線維とに分けられる。求心性線維afferent fiberは興奮を末梢から中枢に向かって伝える物で、感覚(知覚)線維sensory fiberともいわれる。遠心性線維efferent fiberは中枢から末梢に向かって興奮を伝えるもので、筋の運動を司る運動線維motor fiberと、腺に分布し、その分泌を支配する分泌線維secretory fiberとがある。)

Neuron; Neurocyte(ニューロン;神経細胞;神経元)Neuron; Neuronum; Neurocytus にゅーろん;しんけいさいぼう;しんけいげん Feneis: 404 18

[A14_0_00_002] →(神経細胞は核周部ともよばれる神経細胞体と、その突起からなる。細胞体の大きさ、形、突起の長さは多種多様で、その全形を把握するには渡銀法が適している。細胞体には一般の細胞と同じように小器官が存するが、その他の特徴のあるものとして、Nissl小体、神経原線維、色素顆粒がみられる。Nissl小体はチオニン、トルイジン青などの塩基性染料に染まり、細胞体の中で虎斑状にまだらに染め出されために虎斑物質ともよばれる。電顕で観察すると粗面小胞体の塊である。神経原線維は神経細管と神経細糸が集まり、銀に染まったものである。色素顆粒はリポフスチンを含み、リポフスチン顆粒、リポクロームなどとよばれる。水解小体の一種で年齢とともに増す傾向にある。また青斑や黒質の神経細胞体にはメラニンを含む。突起には、神経突起と樹状突起がある。前者は興奮を細胞体から遠心性に伝えるもので必ず1本、後者は興奮を突起から細胞体へ求心性に伝えるもので、神経細胞の種類によって、これを有しない物から、多数有するものまでみられる。神経突起のことを軸索とも呼ぶ。突起の数によって神経細胞は、単極神経細胞(突起が1本のもの)、双極神経細胞(突起が2本であるが、細胞体からでるところで合して1本になっているもの)、多極神経細胞(3本以上の突起をもつもの)に分けられる。突起のない神経細胞は完成した新形式には存在しない。これらの突起の中にももちろん神経細管や神経細糸は走っているが、Nissl小体は樹状突起の一部に認められるだけである。また、神経突起の起始部は小円錐状を呈し、軸索小丘(起始円錐ともよぶ)とよばれ、Nissl物質を欠く。神経細胞体から出るこれらの突起のことを神経線維ともよぶ。)

Perikaryon; Nerve cell body(核周部;核周囲部;神経細胞形質)Perikaryon かくしゅうぶ;かくしゅういぶ;しんけいさいぼうけいしつ Feneis: 404 19

[A14_0_00_003] →(1.細胞質は神経細胞の細胞体部の原形質のように核を囲む原形質。2.核周囲部細胞体はデンチン線維を除くゾウゲ芽細胞体。3.神経細胞形質は軸索突起および樹状突起と区別される神経細胞の細胞体部)

Synapse(シナプス;神経接合部)Synapsis しなぷす;しんけいせつごうぶ Feneis:

[A14_0_00_004] →(シナプスは神経細胞と他の神経細胞、効果器(筋、腺)細胞、または感覚受容体細胞とその機能的な膜と膜との結合についていう。シナプスは神経興奮の伝達をつかさどり、一般に大きさは不定(1~12μm)で、節状または棍棒状の軸索末端がシナプスをつくる受容細胞の細胞膜(シナプス後膜)の境界明瞭な斑点に接合している。ほとんどの場合、興奮は化学伝達物質(神経伝達物質とよばれる)により伝達され、それらの物質はシナプス前膜と後膜を隔てるシナプス間隙(15-50nmの広さ)へ放出される。アセチルコリンは最も広く見られる伝達物質であるが、他にアドレナリン、ノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミン、ガンマアミノラクサンgammaaminobutyric acid(GABA)、グルタミン酸、アスパラギン酸、さらに酸化窒素なども神経伝達物質に該当する。軸索を伝わりシナプス部位に到達した神経刺激は、まず軸索末端(シナプス小胞)からの伝達物質の放出を引き起こす。次に、放出された伝達物質がシナプス裂隙を通り抜けて隣接するニューロンの、たいていは樹状突起表面に達し、新たな神経刺激をもたらすのである。1本の軸索が複数の(時には数百個もの)ニューロンに対してシナプスを形成しうること、および単一ニューロンの樹状突起群に対して、複数のニューロン軸索がシナプスを介し接続しうる。)

Neuroglia; Gliocyte; Glial cell; Glia cell(グリア;神経膠細胞)Neuroglia ぐりあ;しんけいこうさいぼう Feneis:

[A14_0_00_005] →(神経膠細胞には中枢膠細胞と末梢神経膠細胞があるが、神経膠細胞といえば前者のみをさすのが一般である。神経膠は神経組織の保護、支持、代謝、栄養などに関与する。神経膠細胞には上衣細胞(ependymal cellエペンディマルセル)、星状膠細胞(astrogliaアストロサイト)、希突起膠細胞(oligodendrogliaオリゴデンドログリア)、小膠細胞(microgliaミクログリア)があり、末梢神経膠細胞にはSchwann細胞、外套細胞(神経節膠細胞)がある。最近では上衣細胞と小膠細胞は神経膠細胞としないことがおおい。上衣細胞は、脳室や脊髄の中心管に面して並ぶ単層円柱上皮で、腔に面して微絨毛をもち、場所によっては、繊毛が認められる。場所によっては、基底側が細長く延び、有尾上衣細胞(tanycyte)ともよばれる。星状膠細胞は星のような形をした膠細胞の意味である。比較的細胞質に富み、太い突起を有する形質性星状膠細胞と、比較的細胞質が少なく、細く長い突起を有する線維性星状膠細胞に分けられる。いずれも、毛細血管壁や神経細胞体に突起を延ばしており、両者の代謝や栄養のなかだちをすると考えられている。毛細血管では内皮のまわりに基底膜を隔てて、星状膠細胞の足がぎっしり埋まっている。これを血管周境界膜という。両細胞とも細胞質中に多くの神経膠細糸を有するのが特色である。星状膠細胞はニューロンを支えるための立体的網目を形成する一方で、多彩な機能を発揮している。すなわち星状膠細胞には、①ニューロンの物質代謝、とくに炭水化物代謝を大きく助ける、②ニューロンが放出した伝達物質の回収に関与する。③血液・脳関門の構築、機能調節、修復にあずかる、④場合によっては局所的免疫反応を調節する間で、受容体物質を仲立ちする大がかりな通信がおこなわれているという可能性も示された。中枢神経系でニューロン軸索を囲む髄鞘をつくるものは希突起膠細胞であり、そのとき細胞は2つの主要物質(ミエリン塩基性タンパク質、プリテオリピドタンパク質)を細胞膜の特定部に集めなければならない。しかし、どのようなメカニズムでそれがおきるのかは、よくわかっていない。髄鞘が脱落する病変(例えば多発性硬化症の後期段階でみられるもの)は、しばしば希突起膠細胞の消失を伴う。また、同細胞における好銀性の細胞質封入体が出現が、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイドレーガー症候群など多発性線維萎縮を示す患者で確かめれている。小膠細胞はHortega細胞ともよばれる。核が小さく、不正形で濃く染まる。細胞質も少なく、突起にとげがあるのが特徴である。神経膠のうちでこの細胞だけは間葉由来で必要に応じて食作用を営むという。大食細胞系に属させるヒトもある。しかし、小膠細胞は大食細胞とは別で、やはり外胚葉由来であり、中枢損傷がある時に食細胞を発揮するのはこれとは別で単球がそのさいに入りこんだものであるとする説もある。外套細胞(神経節膠細胞)は末梢の神経節すなわち知覚神経節、自律神経節に存在し、神経細胞のまわりを取り囲み衛星細胞ともいわれる。神経節細胞の代謝、支持に関与する。Schwann細胞は鞘細胞ともよばれ、末梢の神経線維を取り囲み、Schwann鞘を形成し、その代謝や支持に関与する。)

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