脳の断面(イラストおよびMRI像)

外眼角耳孔面帯状回の交連上部Cに対する面

by 船戸和弥

片山正輝

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更新日:12/04/18

 

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30歳♂のT1強調MRI画像

外眼角耳孔面帯状回の交連上部Cに対する面

01:上前頭回、02:中前頭回、03:帯状溝、04:帯状回、05:中心前溝、06:中心前回、07:中心溝、08:中心後回、09:側脳室中心部、10:中心後溝、11:縁上回、12:角回、13:楔前部、14:頭頂後頭溝、15:後頭葉の大脳回、16:楔部、17:帯状束、18:半卵円中心

 

01. Gyrus frontalis superior(上前頭回)Superior frontal gyrus

 →上前頭回は上前頭溝の上にある。上前頭回および中前頭回の後部には運動性皮質中枢の続き(運動前野)があるが、これらの回の前部および下前頭回は連合中枢(前頭連合野)と考えられれる。

 

02. Gyrus frontalis medius(中前頭回)Middle frontal gyrus

大脳半球の外側面で、中心溝のすぐ前にある高まりが中心前回で、ここは随意運動に関係する運動領(運動野)motor areaである。

 

03. Sulcus cinguli (帯状溝)Cingulate sulcus

 →脳梁溝と平行に走る溝で、前部は前頭下部で後方は縁部となり、この部はほぼ垂直に走って半球上縁をこえ、半球外側面にでる。

 

04. Gyrus cinguli(帯状回)Cingulate gyrus

 →帯状回は、脳梁の前端から始まり、脳梁の上を回って、その後端まで達する。帯状回と脳梁の間には脳梁溝があり、帯状回と上前頭回との間には帯状溝がある。

 

05. Sulcus precentralis(中心前溝)Precentral sulcus

 →大脳半球の上縁に始まり中心溝と平行に下方に延びる。中心溝と中心前溝の間は中心前回であり第一次運動野が存在する。

 

06. Gyrus precentralis(中心前回)Precentral gyrus

 →大脳半球の外側面で、中心溝のすぐ前にある高まりが中心前回で、ここは随意運動に関係する運動領(運動野)motor areaである。

 

07. Sulcus centralis(中心溝)Central sulcus

 →『ローランド溝』ともよばれる。中心溝は大脳半球の上縁から外側溝の方向に向かって下前方に走る明瞭な溝である。通常、この溝は2か所で屈曲し、上方では大脳半球の内側面までは伸びていない。この溝の深部が前頭葉と頭頂葉の境となっている。一般に、中心溝は外側溝(シルビウス裂)に達しないことが多く、内側面に入るとすぐに終わることで確認される。イタリアの解剖学者Luigi Rolando (1773-1831)による。

 

08. Gyrus postcentralis(中心後回)Postcentral gyrus

 →中心溝とその後に平行に走る中心後溝があり、この両溝に挟まれた回を中心後回(一次体性感覚野)という。温、痛覚や触覚などの体性感覚の中枢で、視床の後外側腹側核、後内側腹側で中継された内側毛帯、脊髄視床路、三叉神経毛帯を経過した遠心性線維を受ける。一次体性感覚野のすべての視床投射は体性感覚局在的に構成されている。サルの研究では、中心後回Brodmannの領域2のニューロン90%以上は深部組織の関節受容器と関係するが領域3のニューロンは皮膚刺激のみで賦活される。領域1の個々のニューロンは、皮膚または関節受容器のいずれか一方の受容器に関係する。(船戸和弥、Clin Neurosci 12:14~17, 1999より引用)

 

09. Pars centralis, ventriculi lateralis(側脳室中心部)Central part of lateral ventricle

中心部は中央の最も狭い部分で、上壁は脳梁幹によって作られ、下壁は複雑で、外側から内側方に向かって尾状核尾、分界条、付着板、側脳室脈絡叢、脳弓体などによって形成される。

 

10. Sulcus postcentralis(中心後溝)Postcentral sulcus

 →中心後溝は中心後回の後方の境。

 

11. Gyrus supramarginalis(縁上回)Supramarginal gyrus

 →外側溝の上行枝をとり囲む皮質部位を占め、Brodmannの領域40に相当する。縁上回は背方にある上頭頂小葉から感覚情報をうけていて頭頂連合野に属する。優位半球のこの領域が限局性に障害されると、失書、手指失認、身体部位失認が生じる。また、伝導失語や観念運動失行もしばしば認められる。

 

12. Gyrus angularis(角回)Angular gyrus

 →側頭葉の上側頭溝の上行枝の末端部を囲むように位置する皮質領域である。ウェルニッケ領域の後部に位置し、Brodmannの領域39に相当する。角回の背側は上頭頂小葉に接し、後方は後頭葉の視覚前野(第二次視覚野)に接し、これらの領域からの線維をうけている。縁上回と同様に頭頂連合野に属する。視覚性言語を聴覚性言語に変換する情報処理をしているといわれている視覚性言語野がある(Geschwind, 1979)。優位半球の障害で失読、失書、観念失行、Gerstmann症候群などが生じる。また、劣位半球の角回周辺の障害で左半側空間失認が生じる。

 

13. Precuneus(楔前部)Precuneus

 →楔前部の前部は、上方に屈曲した帯状回の後部によって境され、後部は頭頂後頭溝によって境されている。

 

14. Sulcus parieto-occipitalis(頭頂後頭溝)Parieto-occipital sulcus

 →楔前部の前部は、上方に屈曲した帯状回の後部によって境され、後部は頭頂後頭溝によって境されている。

 

15. Gyri occipitales(後頭葉の大脳回)Occipital gyri

 →後頭葉の大脳回を一括して後頭葉の大脳回と呼んでいる。

 

16. Cuneus(楔部)Cuneus

 →楔部は三角形をしていて、前方は頭頂後頭溝によって、下方は鳥距溝によって、そして後方は大脳半球内側面の上縁によって境されている。

 

17. Cingulum(帯状束)Cingulum

 →半球内側面の主要な連合線維は帯状回の白質内にある。これは帯状束と呼ばれ、前頭葉および頭頂葉の内側領域と海馬傍回および隣接の側頭葉皮質領域とを連結する、種々の長さの線維を含んでいる。

 

18. Centrum semiovale(半卵円中心)Semioval center

脳梁の上方で帯状回を通る水平断面で最大に現れ、やや卵半円形をなすので、これを半卵円中心と称する。

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