一般解剖学

系統解剖学



最終更新日: 12/05/16

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Juncturae; Systema articulare(連結、関節系)Joints

 これまでの解剖学用語では連結、関節系(Juncturae; Systema articulare)に相当するのものを靱帯学(Syndesmolgia)、関節学(Arthrologia)とよんでいる。骨は結合織の特殊なものであって、線維性結合組織(またはその原型の間葉組織)から、多くの軟骨性の原基を経て、一部は直接に、形成される。いずれにせよ、完成された骨格では、その表面を骨格膜ともいうべき膜状のつよい線維性結合が連続的に被っていて、骨の表面では骨膜、軟骨の表面では軟骨膜、関節の表面では関節包をつくる。骨の連結部では、骨の間にも結合組織性の構造がいろいろな形で残りうる。すなわち、強い結合組織であったり、軟骨であったりする。また骨間組織が消失して関節腔となることもある。このような介在組織の種類と状態によって、骨の連結の可動性は大きく作用され、以前はそれに従って骨の連結を不動関節(結合)Synarthrosis(軟骨結合、靱帯結合、縫合を含む)と可動関節(分離連結)Diarthrosis(関節腔を有する関節)に訳、線維軟骨結合を両者の中間的なものと考えて半関節Amphiarthrosisと呼んでいた。

Juncturae cranii(頭蓋の連結)Joints of skull とうがいのれんけつ [A03.1.00.001]

 頭蓋の連結は頭蓋、環椎、軸椎の間の連結で、椎間円板を含まない点に特徴がある。関与する関節は、左右の環椎後頭関節、中央の正中環軸関節(前後2部に分かれる)と左右の外側環軸関節の合計6個である。頭蓋の骨のうち、下顎骨は関節により、舌骨は靱帯により頭蓋底と連結するが、その他の頭蓋骨と顔面骨は大部分が縫合により小部分が軟骨結合により連結されている。

Juncturae fibrosae cranii(頭蓋の線維性連結)Cranial fibrous joints とうがいのせんいせいれんけつ [A03.1.00.002]

 連続的に介在する線維性結合組織で骨結合が行われる関節の形、頭蓋の縫合、靱帯結合、くさび状縫合が含まれる。

Syndesmoses cranii(頭蓋の靱帯結合)Cranial syndesmoses とうがいのじんたいけつごう [A03.1.01.001]

 頭蓋の靱帯結合は舌骨の連結で舌骨と頭蓋底との連結は側頭骨の茎状突起から起こって舌骨小角に着く茎突舌骨靱帯による。茎突舌骨靱帯は舌骨体上半をつくる第二鰓弓軟骨の位置に生じたもので、小角はそのなかで舌骨に近く生じた一種の種子骨ともみなされる。小角と舌骨体の間はしばしば小さい関節腔を有し、可動性に連結するが、やがて、骨結合となる。大角と舌骨体は始めは軟骨結合で、後で骨化する。頭蓋の小靱帯は頭蓋の各部を結ぶ小さい靱帯として、蝶形骨翼状突起外側板の翼棘突起と大翼の蝶形骨棘を結ぶ翼突棘靱帯、蝶形骨の前・中・後床突起を結ぶもの、舌下神経管内、頚静脈孔内で孔内突起管を結ぶものなど、若干の小靱帯がある。

Lig. pterygospinale(翼突棘靱帯、翼棘靱帯)Pterygospinous ligament よくとつきょくじんたい、よくきょくじんたい [A03.1.01.002] Feneis: 060 10

 翼突棘靱帯は蝶形骨翼状突起の外側板と蝶形骨棘を結ぶ線維索である。しばしば骨化して翼突棘板を形成して、蝶形骨との間に翼突棘孔をつくり、ここを内側翼突筋神経が通過する。

Lig. stylohyoideum(茎突舌骨靱帯)Stylohyoid ligament けいとつぜつこつじんたい [A03.1.01.003] Feneis: 060 11

 茎突舌骨靱帯は舌骨体上半をつくる第二鰓弓軟骨の位置に生じたもので、小角はそのなかで舌骨に近く生じた一種の種子骨ともみなされる。小角と舌骨体の間はしばしば小さい関節腔を有し、可動性に連結するが、やがて、骨結合となる。大角と舌骨体は始めは軟骨結合で、後で骨化する。

Suturae cranii(頭蓋の縫合)Cranial sutures とうがいのほうごう [A03.1.02.001] Feneis: 054 01

 頭蓋は多数の頭蓋骨が接合して構成されているが、その場合、二つの骨が狭い間隙をはさんで対向し、その間に極めて少量の結合組織が介在して連結している。この連結形式を縫合という。連血縁の形態は三つに分類される。(1)鋸状縫合:連結縁が互いに咬み合い、縫合線が複雑に屈曲する。屈曲度は外面で強く、内面で軽い。(2)輪状縫合:連結する双方の骨縁が片刃のように削ぎ落とされ、互いに重なり合う。(3)平滑縫合:連結縁が直線上をなす。縫合の名称は、多くは連結される骨の名を併記するが、茎状や走行などから命名されることもある。

Sutura coronalis(冠状縫合)Coronal suture かんじょうほうごう [A03.1.02.002] Feneis: 054 02

 前頭鱗と頭頂骨前頭縁の間の鋸状縫合で、頭蓋冠の前部を横に冠状に走る。この縫合は蝶形骨大翼と前頭骨との間に横たわる蝶前頭縫合に合流する。

Sutura sagittalis(矢状縫合)Sagittal suture しじょうほうごう [A03.1.02.003] Feneis: 054 03

 矢状縫合は頭蓋冠正中線で左右の頭頂骨を結ぶ。

Sutura lambdoidea(ラムダ状縫合、ラムダ縫合)Lambdoid suture らむだじょうほうごう [A03.1.02.004] Feneis: 054 04

 ラムダ状縫合は頭蓋冠後部で後頭骨と左右の頭頂骨を結ぶ。

Sutura occipitomastoidea(後頭乳突縫合)Occipitomastoid suture こうとうにゅうとつほうごう [A03.1.02.005] Feneis: 054 05

 後頭乳突縫合は後頭骨と側頭骨乳突部の間。

Sutura sphenofrontalis(蝶前頭縫合)Sphenofrontal suture ちょうぜんとうほうごう [A03.1.02.006] Feneis: 054 06

 蝶前頭縫合は頭蓋の外側面で、蝶形骨大翼と前頭骨の間を孔へゆるやかに登る縫合線。頭蓋内面では、前頭骨と蝶形骨小翼の間にある。

Sutura sphenoethmoidalis(蝶篩骨縫合)Spheno-ethmoidal suture ちょうしこつほうごう [A03.1.02.007] Feneis: 054 07

 蝶篩骨縫合は蝶形骨体と篩骨の間の、蝶形骨隆起の前方にある短い縫合。

Sutura sphenosquamosa(蝶鱗縫合)Sphenosquamosal suture ちょうりんほうごう [A03.1.02.008] Feneis: 054 08

 蝶鱗縫合は側頭骨鱗部と蝶形骨大翼の間の縫合。

Sutura sphenoparietalis(蝶頭頂縫合)Sphenoparietal suture ちょうとうちょうほうごう [A03.1.02.009] Feneis: 054 09

 蝶頭頂縫合は蝶形骨大翼と頭頂骨の間にある縫合。

Sutura squamosa(鱗状縫合)Squamous suture りんじょうほうごう [A03.1.02.010] Feneis: 054 10

 鱗状縫合は縫合の形態上の分類としての名称と同一であるが、ここでは側頭骨鱗部と頭頂骨との縫合をさす。

(Sutura frontalis persistens; Sutura metopica)((前頭縫合))(Frontal suture) ぜんとうほうごう [A02.1.03.007] Feneis: 054 11

 前頭縫合は前頭骨が初め左右独立して発生するため正中線状に生じた縫合で、通常消失する。これが成人でも残るときは前頭鱗の正中下部に残ることが多いので眉間縫合ともいう。

Sutura parietomastoidea(頭頂乳突縫合)Parietomastoid suture とうちょうにゅうとつほうごう [A03.1.02.011] Feneis: 054 12

 頭頂乳突縫合は頭頂骨と乳様突起の間で、後方にある縫合。

(Sutura squamomastoidea)((鱗乳突縫合))(Squamosomastoid suture) りんにゅうとつほうごう [A03.1.02.012] Feneis: 054 13

 鱗乳突縫合は側頭骨の鱗部と乳突部とが別個に発生したため生じたための縫合の一部が側頭骨外面で頭頂切痕から前下方に走る縫合線としてみられるものをいう。

Sutura frontonasalis(前頭鼻骨縫合)Frontonasal suture ぜんとうびこつほうごう [A03.1.02.013] Feneis: 054 14

 前頭鼻骨縫合は前頭骨と鼻骨の間の縫合。

Sutura frontoethmoidalis(前頭篩骨縫合)Fronto-ethmoidal suture ぜんとうしこつほうごう [A03.1.02.014] Feneis: 054 15

 前頭篩骨縫合は前頭骨と篩骨の間。

Sutura frontomaxillaris(前頭上顎縫合)Frontomaxillary suture ぜんとうじょうがくほうごう [A03.1.02.015] Feneis: 054 16

 前頭上顎縫合は前頭骨と上顎骨の間。

Sutura frontolacrimalis(前頭涙骨縫合)Frontolacrimal suture ぜんとうるいこつほうごう [A03.1.02.016] Feneis: 054 17

 前頭涙骨縫合は前頭骨と涙骨の間。

Sutura frontozygomatica(前頭頬骨縫合)Frontozygomatic suture ぜんとうきょうこつほうせん [A03.1.02.017] Feneis: 054 18

 前頭頬骨縫合は前頭骨と頬骨の間。

Sutura zygomaticomaxillaris(頬骨上顎縫合)Zygomaticomaxillary suture きょうこつじょうがくほうごう [A03.1.02.018] Feneis: 054 19

 頬骨上顎縫合は頬骨と上顎骨の間。

Sutura ethmoidomaxillaris(篩骨上顎縫合)Ethmoidomaxillary suture しこつじょうがくほうごう [A03.1.02.019] Feneis: 054 20

 篩骨上顎縫合は眼窩内で、篩骨眼窩板と上顎骨の間の縫合。

Sutura ethmoidolacrimalis(篩骨涙骨縫合)Ethmoidolacrimal suture しこつるいこつほうごう [A03.1.02.020] Feneis: 054 21

 篩骨と涙骨の間にあり眼窩の内側壁の縫合。

Sutura sphenovomeralis(篩骨鋤骨縫合)Sphenovomerine suture しこつじょこつほうごう [A03.1.02.021] Feneis: 054 22

 連結鋤骨翼が蝶形骨吻につく夾合連結で、鼻中隔にある。

Sutura sphenozygomatica(蝶頬骨縫合)Sphenozygomatic suture ちょうきょうこつほうごう [A03.1.02.022] Feneis: 054 23

 蝶頬骨縫合は蝶形骨大翼と頬骨の間にある眼窩外側壁の縫合。

Sutura sphenomaxillaris(蝶上顎縫合)Sphenomaxillary suture ちょうじょうがくほうごう [A03.1.02.023] Feneis: 054 24

 蝶上顎縫合は、翼状突起と口蓋骨の外側の上顎骨との間にときにみられる縫合。

Sutura temporozygomatica(側頭頬骨縫合)Temporozygomatic suture そくとうきょうこつほうごう [A03.1.02.024] Feneis: 054 25

 側頭頬骨縫合は側頭骨頬骨突起と頬骨弓の外側の頬骨との間の縫合。

Sutura internasalis(鼻骨間縫合)Internasal suture びこつかんほうごう [A03.1.02.025] Feneis: 054 26

 鼻骨間縫合は左右の鼻骨の間の縫合。

Sutura nasomaxillaris(鼻骨上顎縫合)Nasomaxillary suture びこつじょうがくほうごう [A03.1.02.026] Feneis: 054 27

 鼻骨上顎縫合は鼻骨と上顎骨前頭突起の間の縫合。

Sutura lacrimomaxillaris(涙骨上顎縫合)Lacrimomaxillary suture るいこつじょうがくほうごう [A03.1.02.027] Feneis: 054 28

 涙骨上顎縫合は涙骨の前縁と上顎骨の間にある縫合。

Sutura lacrimoconchalis(涙骨甲介縫合)Lacrimoconchal suture るいこつこうかいほうごう [A03.1.02.028] Feneis: 054 29

 涙骨甲介縫合は涙骨と下鼻甲介との間にある鼻腔内部の縫合。

Sutura intermaxillaris(上顎間縫合)Intermaxillary suture じょうがくかんほうごう [A03.1.02.029] Feneis: 054 30

 上顎間縫合は頭面正中線において左右の上顎骨の間。

Sutura palatomaxillaris(口蓋上顎縫合)Palatomaxillary suture こうがいじょうがくほうごう [A03.1.02.030] Feneis: 054 31

 口蓋上顎縫合は口蓋骨垂直板と上顎体鼻腔面との平面間の縫合である。

Sutura palatoethmoidalis(口蓋篩骨縫合)Palato-ethmoidal suture こうがいしこつほうごう [A03.1.02.031] Feneis: 054 32

 口蓋篩骨縫合は口蓋骨と篩骨稜の間で眼窩および鼻腔外側壁の後部にある縫合。

Sutura palatina mediana(正中口蓋縫合)Median palatine suture せいちゅうこうがいほうごう [A03.1.02.032] Feneis: 054 33

 正中口蓋縫合は骨口蓋の左右半部の間の縫合で、鼻腔面に鼻稜をつくる。

Sutura palatina transversa(横口蓋縫合)Transverse palatine suture おうこうがいほうごう [A03.1.02.033] Feneis: 054 34

 横口蓋縫合は骨口蓋の後部を横走し、上顎骨がつくる部と口蓋骨がつくる部との間の縫合。

Syndesmosis dentoalveolaris; Gomphosis(歯と歯槽の靱帯結合、釘植)Dento-alveolar syndesmosis はとしそうのじんたいけつごう、ていしょく [A03.1.03.001] Feneis: 112 11

 円錐状の歯根が歯槽にはまり込むもので、両者の間には微量の結合組織線維があって、両者を結合させている。

Periodontium(歯周組織、歯根膜)Periodontium ししゅうそしき、しこんまく [A03.1.03.002] Feneis: 112 12

 歯を顎骨に支持する組織で、セメント質、歯根膜、歯槽骨、歯肉を総括して歯周組織という。歯根が顎骨に挿入されている穴を歯槽といい、顎骨の中で歯槽の壁をなす骨質をとくに歯槽骨という。歯槽骨とセメント質との歯には歯根膜とよばれる強靱な密線維性結合組織が存在し、歯根膜を構成するSharpy線維が、一方では歯槽骨に埋入され、他方ではセメント質に埋入されることによって歯が固定されている。歯槽縁付近をおおう口腔粘膜をとくに歯肉といい、歯肉の上皮中歯肉の自由面をおおう部分を外縁上皮、歯頚部エナメル質の表面をおおう部分を内縁上皮という。歯肉は粘膜下組織をかき、粘膜固有層が直接顎骨と結合するほか、固有層の線維の一部は歯頚部のセメント質に付着し、その下方では歯槽縁で歯根膜に移行している。

Gingiva(歯肉)Gingiva しにく [A03.1.03.003] Feneis: 112 13

 歯肉は上顎および下顎の歯槽突起は口腔粘膜で被われており、その結合組織は固く骨膜と癒着している。頬または口唇と歯肉の間の移行帯ではこれに対し、この結びつきはゆるく、ここでは炎症過程によって粘膜がもり上がることがある(このときにはしばしば鼻唇溝やオトガイ唇溝が消失する)。外縁上皮は歯槽突起の外面の粘膜上皮であって、厚みがあり高い乳頭突起でもって粘膜結合組織としっかり咬み合っており、ところどころで角化がみられることがある。内縁上皮は歯槽の上縁を越えて、歯頚に達し歯根膜を上から被っている。

Periodontium protectoris(保護歯周組織、歯肉)Gum ほごししゅうそしき、しにく [A03.1.03.004] Feneis: 112 13

 歯肉は上顎および下顎の歯槽突起は口腔粘膜で被われており、その結合組織は固く骨膜と癒着している。頬または口唇と歯肉の間の移行帯ではこれに対し、この結びつきはゆるく、ここでは炎症過程によって粘膜がもり上がることがある(このときにはしばしば鼻唇溝やオトガイ唇溝が消失する)。外縁上皮は歯槽突起の外面の粘膜上皮であって、厚みがあり高い乳頭突起でもって粘膜結合組織としっかり咬み合っており、ところどころで角化がみられることがある。内縁上皮は歯槽の上縁を越えて、歯頚に達し歯根膜を上から被っている。

Periodontium insertionis(付着歯周組織)Inserting periodontium ふちゃくししゅうそしき [A03.1.03.005] Feneis: 112 14

 歯に触れる歯根膜部分。内縁上皮と歯周靱帯からなる。

Desmodontium(歯周靱帯、歯根膜線維)Desmodentium ししゅうじんたい、しこんまくせんい [A03.1.03.006] Feneis: 112 15

 セメント質に固着し、一部は歯肉に、一部は歯槽壁につくすべての結合組織線維。血管と神経を伴う。

Cementum(セメント質)Cementum せめんとしつ [A03.1.03.007] Feneis: 112 16

 セメント質は細胞に乏しい叢状の骨質であって、その膠原線維には歯根膜の線維(シャーピー線維Sharpey's fiber)が係留して、ともに歯槽壁とゾウゲ質とを結びつける。

Alveoli dentales(歯槽骨)Dental alveoli しそうこつ [A03.1.03.008] Feneis: 112 17

歯槽の骨壁。

Juncturae cartilagineae cranii(頭蓋の軟骨性連結)Cranial cartilaginous joints とうがいのなんこつせいれんけつ [A03.1.04.001]

Synchondroses cranii(頭蓋の軟骨結合)Cranial synchondroses とうがいのなんこつけつごう [A03.1.05.001] Feneis: 056 01

 頭蓋の軟骨結合は骨化が進行するとともに、その大部分は消失する。頭蓋底の骨の間に軟骨性の原始頭蓋にあった軟骨が残ったものをいう。

Synchondrosis sphenooccipitalis(蝶後頭軟骨結合)Spheno-occipital synchondrosis ちょうこうとうなんこつけつごう [A03.1.05.002] Feneis: 056 02

 蝶後頭軟骨結合は蝶形骨体と後頭骨底部の軟骨結合で、思春期後に骨化する。

Synchondrosis sphenopetrosa(蝶錐体軟骨結合)Sphenopetrosal synchondrosis ちょうすいたいなんこつけつごう [A03.1.05.003] Feneis: 056 03

 蝶錐体軟骨結合は蝶錐体裂を閉ざす。

Synchondrosis petrooccipitalis(錐体後頭軟骨結合)Petro-occipital synchondrosis すいたいこうとうなんこつけつごう [A03.1.05.004] Feneis: 056 04

 錐体後頭軟骨結合は錐体後頭裂を閉ざす。

Synchondroses intraoccipitalis(後頭内軟骨結合)Intra-occipital synchondroses こうとうないなんこつけつごう [A03.1.05.005] Feneis: 056 04a

(Synchondrosis intraoccipitalis posterior)((後後頭内軟骨結合))(Posterior intra-occipital synchondrosis) こうこうとうないなんこつけつごう [A03.1.05.006] Feneis: 056 05

 外側部と後頭鱗の間に後後頭内軟骨結合がある。生後1~2年でたいては閉ざす。

(Synchondrosis intraoccipitalis anterior)((前後頭内軟骨結合))(Anterior intra-occipital synchondrosis) ぜんこうとうないなんこつけつごう [A03.1.05.007] Feneis: 056 06

 乳児には後頭骨の底部と外側部の間に前後頭内軟骨結合がある。

Synchondrosis sphenoethmoidalis(蝶篩骨軟骨結合)Spheno-ethmoidal synchondrosis ちょうしこつなんこつけつごう [A03.1.05.008] Feneis: 056 07

 蝶形骨甲介は鼻殻の後部の骨化、すなわち本来篩骨の一部であるが、篩骨尾骨化は鼻嚢軟骨のいろいろの部分からはじまり、それらの結合はかなりおそく、思春期頃まで篩板と蝶形骨の間に蝶篩骨軟骨結合を残す。

Articulationes cranii(頭蓋の滑膜性の連結、頭蓋の関節)Cranial synovial joints とうがいのかつまくせいのれんけつ、とうがいのかんせつ [A03.1.06.001] Feneis: 060 01

  頭部にみられる滑膜性関節で、側頭下顎関節(=顎関節)と環椎後頭関節のことをいう。

Articulatio temporomandibularis(顎関節)Temporomandibular joint がくかんせつ [A03.1.07.001] Feneis: 060 02

 下顎骨と側頭骨の間の関節で、関節頭である下顎骨は左右に長い楕円体状で前後に短いのに対し、関節窩は側頭骨の下顎窩から関節結節の下にいたる面で前後に長い。両者の間には関節円板が介在し、その下面はとくに深くくぼみ、関節頭と関節窩の不適合を当節している。関節包はゆるく、内面は関節円板に固くついている。関係する靱帯は次の三つである。(1)外側靱帯:関節包の外側面を補強する。側頭骨頬骨突起からおこり下顎径につく。(2)蝶下顎靱帯:関節包の内側にあり、蝶形骨棘からおこって下顎小舌につく。関節包とは密着しておらず、その間に下歯槽動脈・静脈・神経が介在する。(3)茎突下顎靱帯:関節の後方にあり、茎状突起からおこり、下顎角後縁の内面につく。この靱帯は、頚筋膜が局部的に肥厚したもので、耳下腺と顎下腺を隔てている。顎関節は縫合(咀嚼)運動をを行うが、それは(1)下顎の上下運動、(2)前後運動、(3)左右運動に大別される。主として(1)は関節円板と下顎頭の間で、(2)は側頭骨関節結節と関節円板の間でそれぞれ行われ、(2)の運動が左右の関節で交互になされると、(3)が行われることになる。これらの運動が組み合わせて行われること、運動には関節円板の胃道が伴い、単なる蝶番運動ではないこと、また左右の関節が協同して働くことなどが顎関節の特徴である。

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Discus articularis(顎関節の関節円板)Articular disc of temporomandibular joint がくかんせつのかんせつえんばん [A03.1.07.002] Feneis: 060 03

 関節円板は下顎頭のための可動性関節臼の役割を果たしている。この関節円板は前部では散在性の軟骨細胞を含む線維軟骨から成っている。その後部は2層性を示す。下顎窩の後壁に固着する上層は弾性線維を含む粗線線維性結合組織から成るが、下顎頭の後壁に付着している下層は非常に丈夫な密線線維結合組織からなるが、下顎頭の後壁に付着している下層は非常に丈夫な密線線維結合組織からなっている。前方で関節円板は関節包ならびに外側翼突筋と強固に結びついている。一般的には関節円板または関節半月は膠原線維の多い線維軟骨性の結合組織から成っている。円板は関節腔を完全に、半月はそれを不完全に分けている。円板および半月は誘導機能をもち、関節面の接触を良くし、場合によっては、顎関節または胸鎖関節などに見られるように、完全に分かれた2つの関節腔をつくりだすことさえある。このような関節円板は疾患時に、あるいは摘出されても新生が起こりうる。

Lig. laterale(顎関節の外側靱帯)Lateral ligament of temporomandibular joint がくかんせつの [A03.1.07.003] Feneis: 060 04

 外側面は側頭骨の頬骨突起から起こる線維で強められ、これを外側靱帯という。

Lig. mediale(顎関節の内側靱帯)Medial ligament of temporomandibular joint がくかんせつのないそくじんたい [A03.1.07.004] Feneis: 060 05

 関節包の内側壁の補強。

Membrana synovialis superior(顎関節の上滑膜)Superior synovial membrane of temporomandibular joint がくかんえつのじょうかつまく [A03.1.07.005] Feneis: 060 06

 上関節窩の滑膜性の内張り。

Membrana synovialis inferior(顎関節の下滑膜)Inferior synovial membrane of temporomandibular joint がくかんせつのかかつまく [A03.1.07.006] Feneis: 060 07

 下関節窩の滑膜性の内張り。

Lig. sphenomandibulare(蝶下顎靱帯)Sphenomandibular ligament ちょうかがくじんたい [A03.1.07.007] Feneis: 060 08

 蝶下顎靱帯は蝶形骨棘から錐体鼓室裂にかけて起こり、前下方に走り、下顎小舌につくとともに顎舌骨筋神経溝の上をまたいで張る。上部は内側・外側翼突筋間にある結合組織といっしょになっている。関節包との間は顎動・静脈、中硬膜動・静脈で、下顎枝内面との間は下歯槽神経、下歯槽動・静脈などで隔てられている。

Lig. stylomandibulare(茎突下顎靱帯)Stylomandibular ligament けいとつかがくじんたい [A03.1.07.008] Feneis: 060 09

 茎突下顎靱帯は茎状突起から前下方に向かい、下顎角後縁の内面に至る。

Articulatio atlantooccipitalis(環椎後頭関節)Atlanto-occipital joint かんついこうとうかんせつ [A03.1.08.001] Feneis: 056 26

 環椎後頭関節は環椎外側塊の上関節窩と後頭骨の後頭窩(大後頭孔の両側に位置する)との間の関節で、前者が関節窩となり、後者が関節頭をなす。左右の関節面の長軸を延長すると前方で交わること、環椎上関節窩は外縁が高まり、窩の面は上後内方を向き、逆に後頭窩の面は下前外方をむくことなどを考えると、両側の関節面は楕円球面の一部に当たっているとみなされる。したがって全体として、両側の関節は1個の楕円関節として頭に対しいて2軸性に働き、矢状軸を中心とする側屈と横軸を中心とする後屈を行う。環椎後頭関節を補強する靱帯として、前環椎後頭膜と後環椎後頭膜があげられる。(1)前環椎後頭膜:環椎前弓と大後頭孔前縁の間に張る。弾力線維を含む。(2)後環椎後頭膜:環椎後頭弓と大後頭孔後縁の間に張り、弾力線維に富む。外側端に椎骨動脈と第1頚神経を通す孔を残す。この膜は黄色靱帯のつづきとみなされる。

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Membrana atlantooccipitalis anterior(前環椎後頭膜)Anterior atlanto-occipital membrane ぜんかんついこうとうまく [A03.1.08.002] Feneis: 056 27

 前環椎後頭膜は環椎の前弓と大後頭孔の前縁との間に張り、外側は環椎後頭関節の関節包に達する。弾性線維を含み、中部は前縦靱帯の線維が加わるために特に厚い。この膜のつづきにあたるものが環椎前弓と軸椎の椎体前面との間にあり、前環軸膜(JNA)と呼ばれることがある。

(Lig. Atlantooccipitale anterius)((前環椎後頭靱帯))(Anterior atlanto-occipital ligament) ぜんかんついこうとうじんたい [A03.1.08.003] Feneis: 056 28

 前環椎後頭靱帯は環椎後頭膜の補強束で前結節からでる。

Membrana atlantooccipitalis posterior(後環椎後頭膜)Posterior atlanto-occipital membrane こうかんついこうとうまく [A03.1.08.004] Feneis: 056 29

 後環椎後頭膜は黄色靱帯のつづきとみなされるもので、環椎後弓と大後頭孔後縁の間に張り、弾性線維に富む。その外側端の環椎後頭関節包に近い所で、椎骨動脈および第1頚神経を通す孔を環椎後弓との間につくる。同じく黄色靱帯のつづきで環椎後頭弓との間にある部は、後環軸膜(JNA)の名もある。

Lig. atlantooccipitale laterale(外側環椎後頭靱帯)Lateral atlanto-occipital ligament がいそくかんついこうとうじんたい [A03.1.08.005] Feneis: 056 30

 外側環椎後頭靱帯は環椎後頭関節の関節包の外側面を補強し、後頭骨と環椎横突起を結ぶ。

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