一般解剖学

系統解剖学



最終更新日: 12/06/18

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Thoracic cavity; Thorax(胸腔;胸郭)Cavitas thoracis; Cavitas thoracica きょうくう;きょうかく Feneis: 152 06

[A02_3_04_002] →(胸郭に包まれた円錐形の内腔が全体が胸腔である。胸腔と腹腔をしきるのは横隔膜である。胸腔内には左右の胸膜腔と縦隔が入る。胸膜腔は人つながりの壁側胸膜と臓側胸膜によって囲まれた腔である。壁側胸膜は胸壁の内部をおおい、臓側胸膜は肺を包む。縦隔内には心膜腔があり、これは心臓を包んでいる。胸腔と胸膜腔を混同しないように注意しよう。胸腔というのは、胸郭に囲まれる空間である。その下口は横隔膜によって遮らえているが、上口は開放性で頚部に開いている。胸膜腔とは、壁側胸膜とその続きである肺胸膜によって囲まれる閉じた空間であって、その内部に存在するのは少量の液(漿液serous fluid)だけである。肺は胸腔の中にあるけれども、胸膜腔の外にある。胸腔の中には心臓によって囲まれる心膜腔という閉じた袋もあり、これらに介在して胸部内臓や大血管などが胸腔内に詰まっているわけである。)

胸腔の内臓の位置 I  胸部内臓の概観.胸腔の前壁を取り去り前縦隔の諸岩官とこれに接する頚部および上腹部の器官を剖出してある.

胸腔の内臓の位置 II  後縦隔の諸器官を右側から剖出してある.右肺は左の方に折り返してある.頚部では前斜角筋を取り除いてある.  交感神経線維は下頚神経節とそれに続くいくつかの胸部神経節から来ている(Braeucker).

Endothoracic fascia; Parietal fascia of thorax(胸内筋膜;胸壁側筋膜)Fascia endothoracica; Fascia parietalis thoracis きょうないきんまく;きょうへきそくきんまく Feneis: 152 08

[A04_4_01_020] →(胸内筋膜は最内肋間筋と内肋間膜、肋下筋、胸横筋、横隔膜などの内面を被う。胸膜や心膜が固く結合する横隔膜上面ではほとんど認められない。また胸郭上口より上柄は胸膜頂を被って厚くなり、第7頚椎横突起に結合する。この部を胸膜静脈あるいはSibson's fasciaという。)

Suprapleural membrane(胸膜上膜)Membrana suprapleuralis きょうまくじょうまくSibson's fascia Feneis: 152 09

[A07_1_02_018] →(胸膜頂の上に広がり、これを補強する胸内筋膜。第1肋骨内側縁と第7頸椎 の横突起に付着するためvertebro-pleural fasciaともよばれる。イギリスの解剖学者Francis Sibson (1814-1876)によって報告された。)

Phrenicopleural fascia(横隔胸膜筋膜)Fascia phrenicopleuralis おうかくきょうまくきんまく Feneis: 152 10

[A07_1_02_019]

Pleural cavity(胸膜腔)Cavitas pleuralis; Cavum pleurae きょうまくくう Feneis: 152 11

[A07_1_01_001] →(胸膜腔とは、壁側胸膜とその続きである肺胸膜によって囲まれる閉じた空間であって、その内部に存在するのは少量の液(漿液serous fluid)だけである。肺は胸腔の中にあるけれども、胸膜腔の外にある。胸腔の中には心膜によて囲まれる心膜腔という閉じた袋もあり、これらに介在して胸部内臓や大血管などが胸腔内に詰まっているわけである。)

胸膜腔 前方から開いたところ(1/5)  胸膜の壁側葉は黄色,心膜は緑色,横隔膜は赤色に塗り,頚部は剖出してある.前胸壁とそれに相当する胸膜の部分は取り除いてある.  1 第1肋骨;2 胸骨柄;3 鎖骨の肩峰端,その内側部は両側とも取り除いてある;4 剣状突起;5 白線;7腹横筋;7 第7肋骨;8 胸鎖乳突筋;9 前斜角筋;10喉頭;11 甲状腺;12 中頚筋膜;13 前縦隔の上部;14 胸膜頂;15 胸膜の縦隔部;16 胸膜の肋椎部の下界;17 心膜(緑);18 肺の上葉;19 肺の中葉;20 肺の下葉;21 横隔膜.

Pleura(胸膜)Pleura きょうまく Feneis: 152 12

[A07_1_02_001] →(胸膜は肺を包み、胸膜腔の壁を裏打ちする薄い透明な漿膜。胸腔は胸郭内の空間で、腹部の腹腔に対応する。心臓を含む縦隔と肺とが胸腔の大部分を占めるが、肺や縦隔と胸壁との間に残されるわずかの空間が胸膜腔である。胸膜腔は縦隔によって左右の二つに分かれる。胸膜腔には少量の漿液を含む。胸膜腔の存在により、肺の表面は胸壁と離れて自由に動く。胸膜腔に面する肺や縦隔の表面、胸壁内面をおおう鞘膜が胸膜で胸膜表面は1層の細胞からなる中皮におおわれ、その下に結合組織層がある。これを胸内筋膜という。胸膜のうち、肺をおおう部分を肺胸膜、胸壁内面をおおう部分と壁側胸膜、縦隔の胸膜腔面をおおう部分を縦隔胸膜、横隔膜上の部分を横隔胸膜といい、壁側胸膜のうち肋骨の胸膜腔面をおおう部分を肋骨胸膜という。胸膜腔の上端の円蓋状の部分、すなわち肺尖にあたる部位を胸膜頂といい、この部分の胸内筋膜はやや厚く、これを胸膜上膜とう。また横隔胸膜部の胸内筋膜を横隔胸膜筋膜という。胸膜の折れ帰りで生ずる狭い腔所を胸膜洞といい、横隔膜の外側下方で横隔胸膜が壁側胸膜へ折れ返って生ずる部分を肋骨横隔洞、前胸壁の壁側胸膜が縦隔胸膜へ折れ替えて生ずる部分を肋骨縦隔洞という。肺門部から下方で肺胸膜が縦隔胸膜へ移行する部分をとくに肺間膜という。)

胸膜と肺の境界線

胸膜と肺の境界線

 

胸腔の3つの漿膜嚢 横断

Serosa of visceral pleura; Serous coat of visceral pleura; Visceral serosa(漿膜(臓側胸膜の);漿膜(肺胸膜の))Tunica serosa pleurae visceralis しょうまく(ぞうそくきょうまくの);しょうまく(はいきょうまくの)

[A07_1_02_003] →(臓側胸膜の漿膜は肺臓の表面をおおう単層細胞性の光沢のある膜。)

Subserosa of peritoneum; Subserous layer of peritoneum; Visceral subserosa(漿膜下組織(肺胸膜の);漿膜下組織(腹膜の))Tela subserosa pleurae visceralis しょうまくかそしき(はいきょうまくの);しょうまくかそしき(ふくまくの)

[A07_1_02_004]

Cervical pleura; Dome of pleura; Pleural cupula(胸膜頂)Cupula pleurae きょうまくちょう Feneis: 152 13

[A07_1_02_006] →(胸膜頂(頚胸膜)は頚に3cmほど伸びだし、その頂点は肺の頂点を覆う帽子状の盛り上がりをつくる。)

Costal part(肋骨部)Pars costalis ろっこつぶ [A07_1_02_006_1]

Diaphragmatic part(横隔膜部)Pars diaphragmatica おうかくまくぶ [A07_1_02_006_2]

Visceral pleura; Pulmonary pleura(臓側胸膜;肺胸膜)Pleura visceralis; Pleura pulmonalis ぞうそくきょうまく;はいきょうまく Feneis: 152 14

[A07_1_02_002] →(肺表面を被う胸膜で、肺葉の間にも入り込み、肺の葉間面を被っている。肺胸膜は肺の内側面にある肺門で肺に出入りする肺根を包んだのち、壁側胸膜に移行する。肺間膜では裂溝に沿って陥入している。)

Parietal pleura(壁側胸膜)Pleura parietalis へきそくきょうまく Feneis: 152 15

[A07_1_02_005] →(壁側胸膜は肺をいれる胸腔を内張している漿膜で、胸壁、縦隔、横隔膜に密着する。壁側胸膜には肋骨胸膜、縦隔胸膜、横隔胸膜、胸膜頂(頚胸膜)がある。壁側胸膜が胸膜腔壁の1つの壁から他の壁に無機を替えるかなりはっきりした腺は、胸膜反転部として知られる。この反転部は、胸骨胸膜が前方と後方で縦隔胸膜に連続するところ、および下方で横隔胸膜に連続するところ、および下方で横隔胸膜に連続するところがある。)

Mediastinal part of parietal pleura; Mediastinal pleura(縦隔胸膜;壁側胸膜の縦隔部)Pars mediastinalis pleurae parietalis; Pleura mediastinalis じゅうかくきょうまく;へきそくきょうまくのじゅうかくぶ Feneis: 152 16

[A07_1_02_009] →(壁側胸膜の縦隔胸膜は縦隔を覆う。)

Costal part of parietal pleura; Costal pleura(肋骨胸膜;肋骨部(壁側胸膜の))Pars costalis pleurae parietalis; Pleura costalis ろっこつきょうまく;ろっこつぶ(へきそくきょうまくの) Feneis: 152 17

[A07_1_02_007] →(壁側胸膜の肋骨胸膜は、胸壁の内面(胸骨、肋軟骨、肋骨、肋間筋、肋間膜、胸椎の側面)を覆う。)

Diaphragmatic part of parietal pleura; Diaphragmatic pleura(横隔胸膜;壁側胸膜の横隔膜部)Pars diaphragmatica pleurae parietalis; Pleura diaphragmatica おうかくきょうまく;へきそくきょうまくのおうかくまくぶ Feneis: 152 18

[A07_1_02_008] →(壁側胸膜の横隔胸膜は横隔膜の胸腔面を被う。)

Pleural recesses(胸膜洞)Recessus pleurales きょうまくどう Feneis: 152 19

[A07_1_02_012] →(肺胸膜と壁側胸膜とは、肺表面の大部分でほぼあい接しているが、ただ肺の前縁と下縁では胸膜腔は広くなり、胸膜洞といわれる。平静呼吸時には、肺は胸膜洞に入り込まないが、深呼吸時には肺は拡張し胸膜洞にはいりこむ。したがって、胸膜洞は狭くなる。しかし、深呼吸時にも、胸膜洞が完全に肺でみたされることはない。)

胸膜洞 胸腔の3つの漿膜嚢の前頭断

Costodiaphragmatic recess; Costodiaphragmatic recess of pleural cavity(肋骨横隔洞;横隔肋骨洞(胸膜腔の))Recessus costodiaphragmaticus; Sinus phrenicocostalis pleurae ろっこつおうかくどう;おうかくろっこつどう(きょうまくくうの) Feneis: 152 20

[A07_1_02_013] →(肺下縁に沿って肋骨胸膜と横隔胸膜との間にある胸膜洞を肋骨横隔洞という。肋骨横隔洞はとくに背側で下方にまで達し、上腹部の臓器(たとえば肝臓・脾臓・腎臓など)に近く位置する。これらの臓器と肋骨横隔洞との間には、横隔膜があって両者をへだてているが、種々の病変が互いに波及することもある。たとえば、腎臓周囲の腫瘍が胸膜腔に波及したり、脾臓が胸膜と同時に損傷されることもある。)

Costomediastinal recess; Precardiac recess(肋骨縦隔洞;心前陥凹)Recessus costomediastinalis; Sinus costomediastinalis ろっこつじゅうかくどう Feneis: 152 21

[A07_1_02_014] →(肺の前縁に沿う胸膜洞を肋骨縦隔洞といい)

Phrenicomediastinal recess(横隔縦隔洞)Recessus phrenicomediastinalis おうかくじゅうかくどう Feneis: 152 22 [A07_1_02_015]

Vertebromediastinal recess(椎骨縦隔洞)Recessus vertebromediastinalis ついこつじゅうかくどう [A07_1_02_016]

Pulmonary ligament(肺間膜;縦隔肺ヒダ)Ligamentum pulmonale; Plica mediastinopulmonalis はいかんまく;じゅうかくはいひだ Feneis: 152 23

[A07_1_02_017] →(肺門から下方へ張る縦隔胸膜のヒダで、肺胸膜上につく。 (Feneis))

Mediastinum(縦隔)Mediastinum じゅうかく Feneis: 152 24

[A07_1_02_101] →(縦隔は、左右肺の間の部分。矢状方向に、胸骨の後面および肋骨の一部から胸椎の椎体の前面まで広がっている。両側は、縦隔胸膜に接し、下方は横隔膜に境される。縦隔は上縦隔と下縦隔に区分され、下縦隔はさらに後縦隔(脊柱前面と心膜後面との間)、中縦隔(心臓と心膜)、前縦隔(心膜と胸壁の間)に区分されている。)

Superior mediastinum(縦隔の上部;上縦隔)Mediastinum superius じゅうかくのじょうぶ;じょうじゅうかく Feneis: 152 25

[A07_1_02_102] →(胸骨角平面より上の縦隔部分。前から胸腺・上大静脈・大動脈弓・気管・食道・胸管が並び、左右の横隔神経や迷走神経が通過する。このように、縦隔上部には多くの重要な期間があるため、胸郭内の腫瘍などの影響を受けやすく、臨床的にも重要である。なお、縦隔下部との境に上大静脈に注ぐ奇静脈のアーチがあり、右気管支のすぐ上に位置する。(イラスト解剖学))

Inferior mediastinum(縦隔の下部;下縦隔)Mediastinum inferius じゅうかくのかぶ;かじゅうかく Feneis: 152 26 [A07_1_02_103]

Anterior mediastinum(縦隔の前部;前縦隔)Mediastinum anterius じゅうかくのぜんぶ;ぜんじゅうかく Feneis: 152 27

[A07_1_02_104] →(縦隔下部で心臓より前の領域。前縦隔ともいい、胸腺(下部)が位置する。(イラスト解剖学))

Middle mediastinum(縦隔の中部;中縦隔)Mediastinum medium じゅうかくのちゅうぶ;ちゅうじゅうかく Feneis: 152 28

[A07_1_02_105] →(心臓と大血管(上行大動脈/肺動・静脈/上大静脈など)によって占められる領域。縦隔上部との境界は心膜腔の上限に一致する。なお、臨床領域では気管分岐部付近をとくに中縦隔とよんで区別することがある。(イラスト解剖学))

Posterior mediastinum(縦隔の後部;後縦隔)Mediastinum posterius じゅうかくのこうぶ;こうじゅうかく Feneis: 152 29

[A07_1_02_106] →(心臓より後ろの領域。気管支・食道・胸大動脈・奇静脈などが位置する。また、気管支周辺のリンパ節や食道に沿って走る迷走神経も含まれる。なお、交感神経幹は胸椎のさらに後ろにあるため、厳密には縦隔の内容に含まれない。(イラスト解剖学))

Pericardial cavity; Pericardial space(心膜腔)Cavitas pericardiaca; Cavitas pericardialis しんまくくう Feneis: 184 07

[A07_1_03_001] →(漿膜性心膜の壁側板と臓側板によって形成される袋の内腔。少量の漿液が含まれており、心臓収縮の潤滑液として働いている。心膜腔の面する心外膜(漿膜性心膜臓側板)の下層には冠状動静脈が走っており、ときに破裂して心膜腔に大量出血を起こすことがある。これを心タンポナーゼcardiac tamonadeといい、心拍動を阻害する危険な状態である。)

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